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木曽海道六拾九次之内 ・ 36

木曽街道 藪原 鳥居峠硯ノ清水

きそかいどう やぶはら とりいとうげすずりのしみず

The Sixty-nine Stations of the Kisokaido: The Suzuri Spring at Torii Pass near Yabuhara

藪原と奈良井の間の鳥居峠で、硯ノ清水のほとりに休む旅人と、薪を背負う女性たちを描いた英泉の図です。大きな松と石碑、遠くの雪山が、山深い峠の澄んだ空気を伝えています。

制作年
天保6〜7年頃(1835〜36年頃)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
木曽海道六拾九次之内(全71図)
描かれた場所
藪原宿(長野県)、鳥居峠(長野県)

作品について

画面の左に太い松が立ち、その根元を薪を背負った二人の女性が歩いています。左端には大きな石碑があり、その下の水たまりが硯ノ清水と考えられます。右手前では二人の旅人が荷を下ろして座り込み、煙管を手に休んでいます。奥には雪をかぶった山がのぞきます。

松の幹は赤茶で太く描かれ、枝を画面の上いっぱいに広げています。右の空は淡い色のまま残され、雪山は墨の線と白で表されています。女性たちの着物の藍と紅、旅人の着物の淡い色が、峠の緑の斜面に映えます。

鳥居峠は木曽川と信濃川の水系を分ける峠で、中山道の難所の一つでした。峠の名は戦勝を祈って鳥居を建てたことに由来すると伝わります。硯ノ清水は木曽義仲にちなむ伝説を持つ湧き水とされ、峠には今も義仲ゆかりの史跡が残ります。

揃物の前半を受け持った渓斎英泉の図です。英泉の担当はこのあたりでまばらになり、以後は歌川広重の図が中心になります。遠くの雪山は、峠からよく見える御嶽山を描いたものとも考えられます。

描かれた場所の今

藪原宿の跡は木曽川の源流に近い木祖村にあり、旧道沿いにお六櫛を作り売る店が今も残ります。宿の北の鳥居峠には奈良井宿へ続く峠道が整備され、石畳や栃の木の大木、義仲硯水の跡などをたどりながら歩くことができます。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

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出典・参考

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