木曽海道六拾九次之内 ・ 36
木曽街道 藪原 鳥居峠硯ノ清水
きそかいどう やぶはら とりいとうげすずりのしみず
The Sixty-nine Stations of the Kisokaido: The Suzuri Spring at Torii Pass near Yabuhara
作品に ついて
画面の左に太い松が立ち、その根元を薪を背負った二人の女性が歩いています。左端には大きな石碑があり、その下の水たまりが硯ノ清水と考えられます。右手前では二人の旅人が荷を下ろして座り込み、煙管を手に休んでいます。奥には雪をかぶった山がのぞきます。
松の幹は赤茶で太く描かれ、枝を画面の上いっぱいに広げています。右の空は淡い色のまま残され、雪山は墨の線と白で表されています。女性たちの着物の藍と紅、旅人の着物の淡い色が、峠の緑の斜面に映えます。
鳥居峠は木曽川と信濃川の水系を分ける峠で、中山道の難所の一つでした。峠の名は戦勝を祈って鳥居を建てたことに由来すると伝わります。硯ノ清水は木曽義仲にちなむ伝説を持つ湧き水とされ、峠には今も義仲ゆかりの史跡が残ります。
揃物の前半を受け持った渓斎英泉の図です。英泉の担当はこのあたりでまばらになり、以後は歌川広重の図が中心になります。遠くの雪山は、峠からよく見える御嶽山を描いたものとも考えられます。
描かれた 場所の 今
藪原宿の跡は木曽川の源流に近い木祖村にあり、旧道沿いにお六櫛を作り売る店が今も残ります。宿の北の鳥居峠には奈良井宿へ続く峠道が整備され、石畳や栃の木の大木、義仲硯水の跡などをたどりながら歩くことができます。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-103
海外の所蔵館
出典・参考
- ColBase(東京国立博物館): 木曽街道 藪原 鳥居峠硯ノ清水(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- 国立国会図書館デジタルコレクション: 三十六 木曽海道薮原鳥居峠硯ノ清水(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- Wikipedia: 木曽海道六十九次(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
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