木曽海道六拾九次之内 ・ 28
長久保
きそかいどうろくじゅうきゅうつぎのうち ながくぼ
The Sixty-nine Stations of the Kisokaido: Nagakubo
月の夜、依田川に架かる長い橋を旅人が渡る長久保の図です。橋の上の人影は影絵のように黒く描かれ、手前の岸では子どもと犬が戯れて、静かな夜の宿場のなごやかさを伝えています。
- 画家
- 歌川広重
- 制作年
- 天保6〜9年頃(1835〜38年頃)
- 技法・形式
- 木版画(浮世絵)
- 揃物
- 木曽海道六拾九次之内(全71図)
- 描かれた場所
- 長久保宿(長野県)
作品に ついて
画面の左から中ほどへ、長い木の橋が川を横切っています。橋の上を、馬に乗った人や荷を担いだ旅人が影のように黒い姿で渡ります。手前の右岸には松が一本立ち、その下で子どもたちが犬とじゃれ合い、馬を引く男が家の方へ向かいます。右端には宿の家が見えます。
空は灰青色のぼかしで、山の向こうに満月が昇っています。川は手前ほど濃い藍に沈み、橋脚の影が水に映ります。橋の人物を黒い影だけで描き、手前の人物を色で描き分けることで、遠近と夜の光の加減を表しています。
長久保は芦田と和田の間の宿で、依田川の谷にありました。難所の和田峠を控えた宿として、峠越えの前後に泊まる旅人でにぎわったとされます。町並みが鉤の手に曲がる造りでも知られます。
歌川広重の担当の図です。月夜の景色はこの揃物の広重の図にたびたび現れ、望月・洗馬などと並ぶ夜景の一枚とされます。メトロポリタン美術館などにも同じ図があり、刷りによって背景の山が省かれたものもあります。
描かれた 場所の 今
長久保宿の跡は長和町にあり、旧道が鉤の手に折れる町並みに、出桁造りの旅籠など江戸から明治の建物が残ります。旅籠だった建物の一つは歴史資料館として公開され、宿場の暮らしや中山道の資料を今に伝えています。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-94
海外の所蔵館
- シカゴ美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
シカゴ 作品番号 1932.173
- メトロポリタン美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
ニューヨーク 作品番号 JP2869
出典・参考
- Art Institute of Chicago: No. 28: Nagakubo, from the series "Sixty-nine Stations of the Kisokaido (Kisokaido rokujukyu tsugi no uchi)"(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- ColBase(東京国立博物館): 木曽海道六拾九次之内 長久保(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- 国立国会図書館デジタルコレクション: 二十八 木曽海道六拾九次之内長久保(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- The Metropolitan Museum of Art: Nagakubo (JP2869)(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- Wikipedia: 木曽海道六十九次(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
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