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木曽海道六拾九次之内 ・ 27

あし田

きそかいどうろくじゅうきゅうつぎのうち あしだ

The Sixty-nine Stations of the Kisokaido: Ashida

芦田宿を出て笠取峠へ向かう坂道を描いた広重の図です。なだらかな緑の丘に松並木が続き、峠を行き交う旅人や馬が小さく描かれて、信濃の山道ののびやかな広がりを伝えています。

制作年
天保6〜9年頃(1835〜38年頃)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
木曽海道六拾九次之内(全71図)
描かれた場所
芦田宿(長野県)

作品について

画面の左から中ほどへ、白い道が丘の斜面をうねりながら上っています。道沿いには松が間をあけて立ち並び、旅人や荷を積んだ馬、駕籠が峠へ向かっていきます。右手は大きな緑の丘で、頂の道にも人影が見えます。中央の奥には険しい岩山がのぞきます。

丘は明るい緑で大きく塗られ、細かな点で草地を表しています。奥の岩山は藍と灰で重く描かれ、その後ろに淡い紅の山が覗きます。丸く刈ったような松の形が規則的に並び、緑の曲面と直線的な幹の対比がこの図の見どころです。

芦田は望月と長久保の間の宿で、西には笠取峠が控えていました。峠道には江戸時代に植えられたとされる松並木が続き、旅人に日陰を与えたと考えられます。宿は和宮が通った際の品を伝える本陣でも知られます。

歌川広重の担当の図です。東京国立博物館の刷りを示していますが、メトロポリタン美術館にも同じ図があり、刷りによって空や山の色が違います。宿場そのものより峠道の景色を選んだ点に、広重の関心がよく表れています。

描かれた場所の今

芦田宿の跡は立科町にあり、本陣の土屋家住宅が客殿などを残して公開され、長野県の文化財に指定されています。宿の西の笠取峠には江戸時代の松並木が残り、県の天然記念物として旧中山道の面影を今に伝えています。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

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出典・参考

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