六十余州名所図会 ・ 46
美作 山伏谷
ろくじゅうよしゅうめいしょずえ みまさか やまぶしだに
Famous Places in the Sixty-odd Provinces: Mimasaka Province: Yamabushi Valley
作品に ついて
手前の道を、蓑をかぶった人と、笠を飛ばされた人が前かがみに進みます。笠は宙に舞い、道端の木々は大きくしなっています。中ほどには青い川が横に流れ、細い橋が架かります。右奥には赤茶色の崖がそびえ、上の松も雨にかすんでいます。
画面全体に、幅の広い白い線と細い線が斜めに重ねて刷られ、横殴りの雨と風の強さを表しています。空の上部は濃い墨色で、雨脚の白が強く浮き出ます。景色より天気を主役にした、動きの大きい図です。
山伏谷の場所ははっきりしませんが、今の岡山県美咲町栗子のあたりで、吉井川の大戸下か、坊主谷と呼ばれる断崖を描いたものと地元では言われています。吉井川は、江戸時代に高瀬舟が行き来した美作の大切な水運の道でした。
揃物では播磨の次に置かれた図です。東京国立博物館や国立国会図書館にも同じ構図の刷りがあります。同じ揃物の伯耆の図も雨の田植えを描いており、天気の表現はこの揃物の見どころの一つになっています。
描かれた 場所の 今
吉井川は岡山県の三大河川の一つで、美咲町栗子のあたりでは山あいを縫うように流れます。江戸時代には高瀬舟が津山と岡山を結び、米や木材を運びました。流域には柵原鉱山の跡など、川とともに歩んだ土地の歴史が残ります。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-239
海外の所蔵館
- シカゴ美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
シカゴ 作品番号 1965.990
出典・参考
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