名所江戸百景 ・ 38
廓中 東雲
めいしょえどひゃっけい かくちゅうしののめ
One Hundred Famous Views of Edo: Yoshiwara Licensed Quarters at Dawn
作品に ついて
奥の大門へ向かって、灰色の大通りがまっすぐ延びています。道には頬かむりの男や、供を連れた客が歩き、右手には竹垣に囲まれた桜の木が満開の花をつけています。両側には妓楼の大きな屋根が並び、通りの先には灯籠がともっています。
空は上が藍、下が淡い青に明け始め、地面は灰色から緑へぼかされています。全体を沈んだ色でまとめ、桜の白だけをほのかに浮かび上がらせることで、夜明け前の冷えた空気が感じられます。
新吉原は浅草の北にあった幕府公認の遊郭で、春には大通りの仲の町に桜を植え込み、花の時期だけの名所としました。安政の大地震では吉原も焼け、仮の場所での営業がしばらく続いたとされます。夜を過ごした客は夜明けとともに大門を出て、日本堤を帰っていきました。
春の部の一図です。華やかな廓を夜明けの静けさの中で描いたところに、この揃物の情緒を重んじる表現がよく表れています。冬の部には吉原へ通う道の「よし原日本堤」もあります。
描かれた 場所の 今
吉原は1958年の売春防止法の完全施行で遊郭としての歴史を終え、今は台東区千束4丁目の街になっています。「吉原大門」の交差点や見返り柳、吉原神社が往時の名残をとどめ、江戸の地割りを残す通りが続いています。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-356
- 国立国会図書館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・千代田区 作品番号 寄別1-8-2-1イ
海外の所蔵館
- シカゴ美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
シカゴ 作品番号 1939.1410
出典・参考
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