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名所江戸百景 上野山内月のまつ
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名所江戸百景 ・ 89

上野山内月のまつ

めいしょえどひゃっけい うえのさんないつきのまつ

One Hundred Famous Views of Edo: The Moon Pine on the Temple Grounds at Ueno

上野の寛永寺の境内にあった月の松を、大きく描いた図です。枝がくるりと輪を描いた松の向こうに、不忍池と弁天堂、対岸の町並みが見え、松の輪が景色を丸く切り取っています。

制作年
安政4年(1857)8月
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
名所江戸百景(全119図)
描かれた場所
寛永寺(東京都)、不忍池(東京都)

作品について

画面いっぱいに太い松の幹と枝が描かれ、その枝の一本が大きな輪を作っています。輪の中と下には、不忍池の水面と、池に浮かぶ弁天島の建物、対岸の家並みと森が見えます。空は夕焼けで下の方がほのかに赤く染まっています。

茶色の松を手前に大きく置き、その枝の輪を窓のように使って遠景を見せる構図です。空の淡い青と池の藍、夕焼けの赤が、秋の夕暮れの静けさを伝えます。

月の松は、寛永寺の清水観音堂の前にあった名木で、輪の形の枝から月を眺める趣向で知られました。寛永寺は徳川将軍家の菩提寺で、上野の山は桜や不忍池の蓮の名所としても江戸の人々に親しまれていました。

揃物の中でも特に印象的な構図の図として知られています。松の輪を額縁にする工夫は、手前の物で景色を区切る広重の手法をよく表しています。春の部にも上野の清水堂と不忍池を描いた図があり、同じ場所を季節を変えて描き分けています。

描かれた場所の今

月の松は明治時代に失われましたが、2012年に清水観音堂の前に輪の形の松が植えられ、再びよみがえりました。清水観音堂は国の重要文化財で、輪の向こうに不忍池の弁天堂を望むことができます。上野恩賜公園の中にあります。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

出典・参考

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