名所江戸百景 ・ 42
玉川堤の 花
めいしょえどひゃっけい たまがわづつみのはな
One Hundred Famous Views of Edo: Blossoms on the Tama River Embankment
作品に ついて
左手前に、太い幹の桜の大木が白い花を広げ、その奥へ桜並木が上水に沿って連なっています。木の下の道には花見の人々が群れ、子どもの姿も見えます。右手には板塀に沿って人々が歩き、二階座敷から花を眺める客のいる茶屋が建ちます。右下には小さな橋が架かっています。
桜の白と幹の灰色、堤の緑、上水の白い流れが画面を斜めに分け、奥へ向かうにつれて並木が小さくなる遠近法で、花の列の長さを感じさせます。空は上が藍、地平近くが淡い紅に染まっています。
玉川上水は多摩川の水を江戸へ引いた上水で、内藤新宿のあたりでは堤の上を流れていました。宿場の人々が客を呼ぶために堤に桜を植えたものの、花が咲く前に取り払われたという話も伝わり、広重の描いた満開の並木は、名所になるはずだった姿だったとも考えられます。
春の部の最後の図で、揃物の中でも早い安政3年2月に出た一枚です。評判になりそうな名所を先取りして伝える、版元の思惑もうかがえる図とされます。
描かれた 場所の 今
玉川上水は今の新宿御苑の北側を流れていましたが、その辺りは暗渠となり、2012年に新宿区が「玉川上水・内藤新宿分水散歩道」として流れを再現しました。隣の新宿御苑は都内有数の桜の名所で、春には多くの花見客が訪れます。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-360
- 国立国会図書館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・千代田区 作品番号 寄別1-8-2-1イ
海外の所蔵館
- シカゴ美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
シカゴ 作品番号 1925.3746
出典・参考
- Art Institute of Chicago: Blossoms on the Tama River Embankment (Tamagawa-zutsumi no hana), from the series "One Hundred Famous Views of Edo (Meisho Edo hyakkei)"(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- ColBase(東京国立博物館): 名所江戸百景 玉川堤の花(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- 国立国会図書館デジタルコレクション: 名所江戸百景 玉川堤の花(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
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