東海道五拾三次之内 ・ 15
吉原 左富士
とうかいどうごじゅうさんつぎのうち よしわら ひだりふじ
The Fifty-three Stations of the Tokaido: Mt. Fuji on the Left near Yoshiwara
作品に ついて
江戸から京へ向かう東海道では、富士山はふつう右手に見えます。ところが吉原のあたりでは道が大きく曲がるため、一時だけ富士が左側に見えました。これが「左富士」で、旅人に親しまれた名所でした。
画面手前では、馬の背の鞍に3人の子どもが乗り、馬子が引いています。左の2人は前方の富士を見つめていますが、右端の子はうなだれて居眠りをしているようです。旅の途中の子どもらしいしぐさが、ほほえましく描かれています。
道の両側には太い松の幹がリズムよく並び、奥へ行くほど小さくなって遠近を感じさせます。松の間からのぞく赤みを帯びた富士と、右奥の灰色の山が、田の広がる景色に変化を添えています。
左富士が生まれたのは、延宝8年(1680)の高波で吉原宿が内陸へ移り、東海道の道筋が変わったためです。保永堂版には富士山を描いた図がいくつもありますが、原の図では画面からはみ出すほど大きく、本図では松の間に小さく置いて、旅の途中でふと目に入る富士の見え方を表しています。
描かれた 場所の 今
富士市依田橋町の旧東海道には「左富士」の松が残り、市が2011年に景観重要樹木に指定しています。近くには左富士神社もあり、道の曲がり方と富士の見え方から、往時の左富士をしのぶことができます。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-18
- 東京富士美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・八王子市
この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)
海外の所蔵館
- シカゴ美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
シカゴ 作品番号 1925.3515
出典・参考
- Art Institute of Chicago: Yoshiwara: Mount Fuji on the Left (Yoshiwara, hidari Fuji)(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- ColBase(東京国立博物館): A-12499-18(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 東京富士美術館 収蔵品: 東海道五拾三次之内 吉原 左富士(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 国立国会図書館デジタルコレクション: 東海道五拾三次 吉原・左富士(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
静岡県をもっと知る
同じ土地の名物や、天然記念物の動物、祭りも訪ねてみませんか。






