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六十余州名所図会 ・ 31

越前 敦賀 気比ノ松原

ろくじゅうよしゅうめいしょずえ えちぜん つるが けひのまつばら

Famous Places in the Sixty-odd Provinces: Echizen Province: The Kehi Pine Grove at Tsuruga

越前国の敦賀湾を、気比の松原の松林越しに見渡した図です。緑の山が湾に迫り、入り江には船が集まり、手前の松並木と沖を行く白い帆が、穏やかな港の風景をつくっています。

制作年
嘉永6年(1853年)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
六十余州名所図会(全69図)
描かれた場所
気比の松原(福井県)

作品について

画面の下端には松の木がずらりと並び、ここが気比の松原と考えられます。その先の湾には帆掛け船が二艘進み、中ほどの入り江には多くの船が集まっています。左の岸には家並みと煙の立つ浜があり、奥には緑と灰色の山が重なってそびえます。

空の下端を赤く染めて山の稜線をくっきりと浮かび上がらせ、海は藍と水色のぼかしで深さを表しています。手前の松の濃い緑と組み合わされ、落ち着いた色調の画面になっています。

敦賀は北陸と京・大坂を結ぶ港で、北前船の寄港地としても栄えました。気比の松原は越前一宮の気比神宮の神域とされた松原で、白い砂浜に松が続く景勝地として古くから知られます。敦賀から琵琶湖の北岸までは陸路で荷が運ばれ、湖上の舟で大津を経て京へ届けられました。入り江に集まる船は、この港のにぎわいを伝えるものと考えられます。

山の形や湾の広がりは実景をもとにしながら、山を高く見せるなどの誇張が加えられていると考えられます。国立国会図書館にも同じ構図の刷りがあります。

描かれた場所の今

気比の松原は福井県敦賀市にあり、約40万㎡の広さに赤松と黒松が茂ります。三保の松原、虹の松原とともに日本三大松原に数えられ、1934年に国の名勝に指定されました。夏は海水浴場としてにぎわい、松林の中を散策できます。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

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出典・参考

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