名画のふるさと名画と画家を地域から探す
名所江戸百景 真乳山山谷堀夜景
画像:Art Institute of Chicago(作品ページ(新しいタブで開きます))(当サイトで縮小して掲載) CC0(新しいタブで開きます) 拡大して見る

名所江戸百景 ・ 34

真乳山山谷堀夜景

めいしょえどひゃっけい まつちやまさんやぼりやけい

One Hundred Famous Views of Edo: Night View of Matsuchi Hill and the San’ya Canal

隅田川の対岸に待乳山と山谷堀の入口を望む夜景に、提灯の明かりを頼りに歩む芸者の姿を大きく描いた図です。暗い空に星がまたたき、川向こうの茶屋の灯がにじむ、しっとりとした春の夜の一場面です。

制作年
安政4年(1857)8月
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
名所江戸百景(全119図)
描かれた場所
待乳山(東京都)、隅田川(東京都)

作品について

左手前に、青い格子柄の着物に黒い帯を締めた女性が、下駄履きで歩いています。左端には先を行く供の提灯の一部がのぞきます。後ろには隅田川が広がり、対岸の待乳山の森の下に、山谷堀に面した茶屋の明かりが並びます。右には枝を差しかける木が立っています。

空は上を黒、下を灰青にぼかし、木目を生かした摺りで夜気の揺らぎを表しています。暗い背景の中で、女性の顔の白と襦袢の赤、提灯の赤が際立ち、星を表す小さな白い点が画面に静けさを添えます。

待乳山は浅草の北、隅田川沿いの小高い丘で、聖天をまつる本龍院があります。その脇から吉原へ向かう山谷堀が隅田川に注ぎ、堀の入口には舟宿や茶屋が並びました。吉原へ通う客は舟でここまで来て、堀沿いの日本堤を歩いたといいます。

春の部の夜景で、人物を大きく手前に置く構図は揃物では珍しいものです。描かれた女性は向島の側を歩く芸者と考えられ、名所の景色と江戸の風俗を一枚に重ねています。

描かれた場所の今

待乳山聖天(本龍院)は今も台東区浅草7丁目の丘の上にあり、大根を供える信仰で知られます。山谷堀は埋め立てられて細長い山谷堀公園になり、隅田川の側には待乳山聖天公園や隅田公園が続いています。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

海外の所蔵館

出典・参考

姉妹サイト

姉妹サイトで、同じ土地の別の魅力も訪ねてみませんか。