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名所江戸百景 紀の国坂赤坂溜池遠景
画像:Art Institute of Chicago(作品ページ(新しいタブで開きます))(当サイトで縮小して掲載) CC0(新しいタブで開きます) 拡大して見る

名所江戸百景 ・ 85

紀の国坂赤坂溜池遠景

めいしょえどひゃっけい きのくにざかあかさかためいけえんけい

One Hundred Famous Views of Edo: Distant View of Akasaka Reservoir from Kinokuni Slope

紀の国坂から赤坂の溜池を遠くに望む図です。灰色の空の下、堀に沿った坂道を、毛槍を立てた侍の一行が歩いてきます。左の堀には水草が浮かび、奥には町並みと緑の森が続きます。

制作年
安政4年(1857)9月
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
名所江戸百景(全119図)
描かれた場所
赤坂溜池(東京都)

作品について

画面の右手前を、笠をかぶった侍の一行が、こちらへ向かって列になって進んでいます。先頭の後ろには、先に飾りを付けた長い毛槍が高く立っています。左には堀の水面が広がり、水草の葉が点々と浮かんでいます。道端には高札のような立て札があり、奥には家並みと森が見えます。

灰色がかった空と堀の藍、土手の緑が落ち着いた色調を作っています。毛槍の細い線が画面を縦に貫き、一行の列を手前から奥へ導いています。

紀の国坂は、紀州徳川家の屋敷の脇を通る坂で、赤坂見附の堀に沿っていました。赤坂の溜池は江戸城の外堀を兼ねた大きな池で、江戸初期には上水の水源でもありました。大名や旗本の屋敷が並ぶ、武家地の風景です。

揃物には溜池を描いた図がいくつかあり、夏の部の「赤坂桐畑」と同じ溜池を、こちらは坂の上から遠くに見ています。名所というより武家の町の日常を描いた図で、行列の静かな歩みが印象に残ります。

描かれた場所の今

紀の国坂(紀伊国坂)は今の港区元赤坂にあり、坂の脇には赤坂御用地と迎賓館が広がります。赤坂見附の弁慶堀は今も水をたたえています。溜池は明治時代に埋め立てられ、名前は溜池山王駅や交差点の名に残っています。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

出典・参考

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