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木曽海道六拾九次之内 ・ 30

下諏訪

きそかいどうろくじゅうきゅうつぎのうち しもすわ

The Sixty-nine Stations of the Kisokaido: Shimosuwa

下諏訪宿の旅籠の座敷で、旅人たちが夕食の膳を囲む様子を描いた広重の図です。開け放った障子の奥でくつろぐ客と、左奥で湯に浸かる人物から、温泉のある宿場の夜の気配が伝わります。

制作年
天保6〜9年頃(1835〜38年頃)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
木曽海道六拾九次之内(全71図)
描かれた場所
下諏訪宿(長野県)

作品について

画面の中心は旅籠の座敷で、障子を開けた奥に四、五人の客が膳を前に座り、食事を楽しんでいます。給仕の女性が客の世話をし、床には盃や皿が並びます。左手の奥には湯殿があり、湯船に浸かる人物が見えます。手前には縁側と庭が描かれています。

藁葺きの大きな屋根が画面の上を覆い、その下の座敷が額縁のように切り取られています。障子の白と畳の緑、柱や縁側の茶色が整然と組み合わされ、奥の襖の青い模様が色の変化を添えています。外の暗さと座敷の明るさの差が夜を感じさせます。

下諏訪は諏訪大社下社の門前町で、中山道と甲州道中が合流する宿でした。温泉が湧く宿場として知られ、難所の和田峠を越えてきた旅人にとって、湯に入りくつろげる貴重な宿だったと考えられます。

歌川広重の担当の図です。風景ではなく旅籠の室内を描いた珍しい図で、宿場の暮らしを間近に見せています。広重は東海道の揃物でも宿の内側を描いていますが、ここでは温泉宿らしいくつろぎを主題にしています。

描かれた場所の今

下諏訪宿の跡は下諏訪町にあり、諏訪大社下社の春宮と秋宮の間に宿場の町並みが続きます。本陣岩波家は門や庭園を残し、和宮が泊まった宿としても知られます。共同浴場の綿の湯など温泉も今に続き、甲州道中との合流点の標識もあります。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

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出典・参考

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