名画のふるさと名画と画家を地域から探す
名所江戸百景 井の頭の池弁天の社
画像:Art Institute of Chicago(作品ページ(新しいタブで開きます))(当サイトで縮小して掲載) CC0(新しいタブで開きます) 拡大して見る

名所江戸百景 ・ 87

井の頭の池弁天の社

めいしょえどひゃっけい いのかしらのいけべんてんのやしろ

One Hundred Famous Views of Edo: Benten Shrine and Inokashira Pond

江戸の西の郊外、井の頭の池に浮かぶ弁天の社を描いた図です。松に囲まれた島の社に橋が架かり、その向こうに葦の茂る池と森が広がり、遠くには青い山並みが連なっています。

制作年
安政3年(1856)4月
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
名所江戸百景(全119図)
描かれた場所
井の頭池(東京都)

作品について

画面の下に、池の中の島に建つ弁天の社と、そこへ渡る橋が描かれています。社の周りには枝ぶりのよい松が茂り、参詣の人の姿も見えます。その向こうには葦や水草の茂る広い池と、松の森が続き、空の下には遠い山並みが青く重なっています。

淡い緑と水色を中心にした穏やかな色調で、横に重なる岸と森が、奥へ広がる池の大きさを伝えます。社を画面の下に小さく置き、景色の広がりを見せる構図です。

井の頭の池は神田上水の水源で、江戸の人々の飲み水を支える大切な池でした。池の弁天は古くから信仰を集め、江戸から一日がかりで参る行楽の地でもありました。池からあふれる水は神田上水として江戸の町へ送られ、多くの家々の井戸を満たしていました。

揃物の中で江戸の中心から最も遠い場所の一つです。安政3年4月の初期の図で、秋の部に入っていますが、季節の表現は控えめです。水源の池を選んだことには、江戸の暮らしを支える水への関心もうかがえます。

描かれた場所の今

井の頭の池は今の三鷹市と武蔵野市にまたがる井の頭恩賜公園の中にあり、1917年に公園として開かれました。池には弁財天の堂が建ち、ボート遊びの人でにぎわいます。池から流れ出る神田川は、今も都心を流れて隅田川に注いでいます。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

出典・参考

姉妹サイト

姉妹サイトで、同じ土地の別の魅力も訪ねてみませんか。