東海道五拾三次之内 ・ 54
大津 走井茶店
とうかいどうごじゅうさんつぎのうち おおつ はしりいちゃみせ
The Fifty-three Stations of the Tokaido: The Hashirii Teahouse at Otsu
作品に ついて
左下の茶店の軒先では、井戸から水が勢いよく湧き出ています。「走井」とは、勢いよく湧き出る井戸という意味です。この水で作られた走井餅は、旅の土産として人気がありました。井戸の水は石組みの中から盛り上がるようにあふれ、白い線で勢いが表されています。茶店では店の人が立ち働き、店先には子どもの姿も見えます。
街道には、米俵や薪を積んだ牛車が三台、間をあけて連なっています。大きな車輪の円が等間隔に並び、画面に心地よい調子を生んでいます。牛を引く人の姿も描かれ、荷を積んだ車の重さが伝わります。牛の背の上には日よけのような覆いが掛けられています。
走井は、大津宿と京のあいだ、逢坂山の山あいにありました。東京富士美術館によると、逢坂山は湧き水で道がぬかるみやすく、牛車で荷を運ぶのに苦労したといいます。揃物の終点、京の三条大橋はこの山を越えた先です。茶店と奥の家々は藁葺きで、背後には松や竹の木立が茂っています。
描かれた 場所の 今
走井の井戸は、今の大津市大谷町にある月心寺の敷地に「走井の井筒」として残っています。月心寺は画家・橋本関雪の別荘だった所で、江戸時代には東海道を行く旅人でにぎわう茶店でした。近くの逢坂峠には、逢坂山関址の碑が立っています。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-60
- 東京富士美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・八王子市
この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)
海外の所蔵館
- シカゴ美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
シカゴ 作品番号 1925.3562
出典・参考
- Art Institute of Chicago: Otsu: Hashirii Teahouse (Otsu, Hashirii chaya)(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- ColBase(東京国立博物館): A-12499-60(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 東京富士美術館 収蔵品: 東海道五拾三次之内 大津 走井茶店(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 国立国会図書館デジタルコレクション: 東海道五拾三次 大津・走井茶店(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
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