名所江戸百景 ・ 25
目黒元不二
めいしょえどひゃっけい めぐろもとふじ
One Hundred Famous Views of Edo: Original Fuji, Meguro
作品に ついて
右手に迫る緑の斜面が元富士の塚で、松の若木の間を人々が登っていきます。左の平らな所には色づいた木の下に床几が並び、参詣の人々が腰を下ろしています。その先には目黒の田畑と林が広がり、遠くに雪をかぶった富士山がそびえます。
画面を斜めに切る塚の稜線と、上へまっすぐ伸びる大きな松が構図の骨組みです。緑のぼかしで塚の丸みを表し、地平の赤い帯と富士の白が澄んだ空気を感じさせます。小さな人物の配置で、塚の高さがよくわかります。
元富士は文化9年(1812)に目黒村の富士講の人々が築いた高さ12メートルほどの塚で、頂には浅間社がまつられていたといいます。塚に登れば富士詣と同じご利益があると考えられ、江戸の各地にこうした富士塚が造られました。近くに新しい富士塚ができてから、こちらは元富士と呼ばれました。
春の部の一図ですが、手前の木々は黄や橙に色づいて見え、春の図としては珍しい色合いです。揃物には同じ目黒の新しい富士塚を描いた「目黒新冨士」もあり、二つの富士塚を見比べられるようにしたと考えられます。
描かれた 場所の 今
元富士の塚は明治11年(1878)に社殿などが取り払われ、今は目黒区上目黒1丁目の目切坂の上に跡を示す説明板が立つだけです。塚にあった碑石は大橋の氷川神社に移されたと伝わり、周りは代官山に近い静かな住宅地になっています。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-343
- 国立国会図書館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・千代田区 作品番号 寄別1-8-2-1イ
海外の所蔵館
- シカゴ美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
シカゴ 作品番号 1939.1403
出典・参考
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