六十余州名所図会 ・ 2
大和 立田山 龍田川
ろくじゅうよしゅうめいしょずえ やまと たつたやま たつたがわ
Famous Places in the Sixty-odd Provinces: Yamato Province: Tatsuta Mountain and Tatsuta River
作品に ついて
画面の右端には岩の崖がそびえ、その上から赤や茶に色づいた木が大きく枝を広げています。木の向こうには川が蛇行しながら奥へ続き、川面では一人の男が筏に乗って竿をさしています。中ほどには松の茂る小高い島のような岸があり、左の岸には紅葉した木々と、わら屋根の小屋が並びます。
遠くには淡い緑の山が重なり、山あいには白く霧が立ちこめています。手前の大きな木で奥行きを強く見せる構図は、広重がこの揃物でたびたび使った工夫です。川の青と紅葉の赤が、秋の澄んだ空気を伝えています。
竜田川は、在原業平の「ちはやぶる神代も聞かず竜田川からくれなゐに水くくるとは」をはじめ、百人一首にも2首が採られた歌枕です。江戸時代の人にとって、大和といえばまず紅葉の竜田川が思い浮かぶ名所でした。古歌の竜田川は、今の大和川の一部を指したともいわれます。
題の立田山は竜田の地の山を指し、風の神をまつる竜田大社(三郷町)のあたりとされます。シカゴ美術館やメトロポリタン美術館も同じ図を所蔵しています。
描かれた 場所の 今
今の竜田川は生駒山地の東を南へ流れて大和川に注ぐ川で、奈良県斑鳩町の竜田公園や三室山の一帯は、今も紅葉の名所として親しまれています。秋には川沿いのもみじが色づき、古歌の風景をしのびに訪れる人も多くいます。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-195
海外の所蔵館
- シカゴ美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
シカゴ 作品番号 1939.1505
- メトロポリタン美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
ニューヨーク 作品番号 JP590
出典・参考
- Art Institute of Chicago: Yamato Province: Tatsuta Mountain and Tatsuta River (Yamato, Tatsutayama, Tatsutagawa)(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- ColBase(東京国立博物館): 六十余州名所図会 大和 立田山 龍田川(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- 国立国会図書館デジタルコレクション: 六十余州名所図会 大和 立田山龍田川(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- The Metropolitan Museum of Art: Yamato, Tatsutayama, Tatsutagawa (JP590)(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
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