六十余州名所図会 ・ 1
山城 あらし山 渡月橋
ろくじゅうよしゅうめいしょずえ やましろ あらしやま とげつきょう
Famous Places in the Sixty-odd Provinces: Yamashiro Province: The Togetsu Bridge at Arashiyama
作品に ついて
画面の下を左から右へ斜めに横切るのが渡月橋です。橋の上には日傘を差した人や荷を担いだ人が行き交い、川面では男たちが竿を操って筏を流しています。中ほどには松の生えた中州がのぞき、その向こうの対岸に嵐山がそびえます。
山肌は淡い桃色の桜と濃い緑の松で埋まり、間を赤く染まった霞がたなびきます。山の中腹からは一筋の滝が落ち、左端には寺の堂と茶屋の屋根が見えます。下から橋、川、花の山、灰色の遠山と重なっていく構図は、縦長の画面を生かしたこの揃物らしいものです。
嵐山の桜は、鎌倉時代に吉野から移し植えたのが始まりと伝わり、江戸時代には京の人々の花見の名所でした。川は上流の丹波から材木を筏で運ぶ道でもあり、橋の下を行く筏には、行楽の地と暮らしの場が重なっていた様子が表れています。
五畿七道の順に国をめぐる揃物の始まりに、都のある山城の、それも春の名所を置いたことになります。東京国立博物館や国立国会図書館にも同じ図があり、国立国会図書館の刷りは橋の向きなどが違う構図の版です。
描かれた 場所の 今
渡月橋は今も嵐山の玄関口で、現在の橋は1934年に完成した鉄筋コンクリート造りです。木の橋に見えるよう欄干に木材を使い、周りの景色になじませています。嵐山一帯は国の史跡・名勝に指定され、春の桜と秋の紅葉の時期には大勢の人でにぎわいます。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-194
海外の所蔵館
- シカゴ美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
シカゴ 作品番号 1925.3782
出典・参考
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