六十余州名所図会 ・ 15
相模 江之嶋 岩屋ノ口
ろくじゅうよしゅうめいしょずえ さがみ えのしま いわやのくち
Famous Places in the Sixty-odd Provinces: Sagami Province: Entrance to the Caves at Enoshima
作品に ついて
画面の右には松の茂る江の島の崖がそびえ、その下に大きな洞窟が口を開けています。これが岩屋です。崖の前には平らな岩場が広がり、左には尖った岩が立っています。岩場の周りには白い波頭が渦巻き、手前の海は激しく荒れています。
左奥には穏やかな海が広がり、白い帆の船が浮かびます。その先に灰色の山並みと白い富士が見え、空の低いところは赤く染まっています。手前の荒々しい波と岩、奥の静かな夕景という対比が、この図の見どころです。
江の島は弁財天をまつる霊場で、江戸時代には江戸から近い行楽地として多くの参詣者を集めました。島の南の岩屋は、江の島の信仰が始まった場所とされる洞窟で、参詣者は岩場を伝って奥を拝みました。
広重は江の島を何度も描いていますが、本図では島の全景ではなく、裏側の岩屋に迫っています。波頭を細かく描き分けた荒波は、岩屋へ向かう道の険しさも感じさせます。国立国会図書館と東京国立博物館の刷りも同じ構図です。
描かれた 場所の 今
江の島の南西にある岩屋は、昭和46年(1971年)にいったん閉鎖され、藤沢市の整備を経て平成5年(1993年)に再開しました。今は手燭を持って洞窟の奥へ進むことができ、手前の岩場からは晴れた日に富士山を望めます。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-208
海外の所蔵館
- シカゴ美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
シカゴ 作品番号 1965.962
出典・参考
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