名所江戸百景 ・ 6
馬喰町初音の 馬場
めいしょえどひゃっけい ばくろちょうはつねのばば
One Hundred Famous Views of Edo: The Hatsune Riding Grounds at Bakuro-cho
作品に ついて
手前の草地から奥の馬場へ、黄色や白、紫に染めた長い布が横に何本も張り渡されています。左右には芽吹いた柳が枝を垂らし、中央奥には火の見櫓がそびえます。布の下には人影がぽつんと立ち、その先に町家の屋根が続きます。
横に流れる布の帯と、縦に伸びる櫓と柳の幹が、画面を格子のように区切っています。夕暮れの空の淡い色と布の鮮やかな色の取り合わせが、広い馬場の静けさを際立たせています。
初音の馬場は江戸で最も古い馬場の一つとされ、そばに初音稲荷があったことからこの名で呼ばれたといいます。広い空き地は近くの紺屋が染めた布を干す場所にも使われ、火の見櫓は火事の多い町を見張りました。
春の部の第6図です。名所の由来となった馬の姿をまったく描かず、布と櫓で場所を表しているところが、この図の大きな特徴です。改印は安政4年(1857)9月です。干された布は近くの紺屋の仕事を示し、職人の町の日常をそのまま名所の景色に取り込んでいます。都市の空き地の何気ない景色を名所として描いた点に、晩年の広重の関心がうかがえます。
描かれた 場所の 今
馬場の跡は今の中央区日本橋馬喰町の辺りで、当時の面影は残っていません。馬喰町は江戸時代に旅籠と問屋の町として栄え、今も衣料や雑貨の問屋が集まる街として知られています。近くの浅草橋とともに、問屋街の雰囲気を今に伝えています。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-324
海外の所蔵館
- シカゴ美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
シカゴ 作品番号 1925.3759
出典・参考
- Art Institute of Chicago: The Hatsune Riding Grounds at Bakuro-cho (Bakuro-cho Hatsune no Baba), from the series "One Hundred Famous Views of Edo (Meisho Edo hyakkei)"(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- ColBase(東京国立博物館): 名所江戸百景 馬喰町初音の馬場(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- 国立国会図書館デジタルコレクション: 名所江戸百景 馬喰町初音の馬場(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
東京都をもっと知る
姉妹サイトで、同じ土地の別の魅力も訪ねてみませんか。






