六十余州名所図会 ・ 52
長門 下の 関
ろくじゅうよしゅうめいしょずえ ながと しものせき
Famous Places in the Sixty-odd Provinces: Nagato Province: Shimonoseki
作品に ついて
画面の左を、帆柱を高く立てた大きな和船が占め、船べりには俵のような荷が積まれています。手前の小舟では船頭が竿をさし、二人の女性が腰を下ろしています。中ほどの海には帆を下ろした船がいくつも停まり、右奥には緑の島と岬、遠くには白い帆が点々と見えます。
船体を画面の端で大きく切り取り、手前の小舟と遠くの船で奥行きを出しています。海の藍は手前ほど濃く、空は上から下へ明るくぼかされ、雁の列が静かな湊の空に動きを添えています。
下関はかつて赤間関と呼ばれ、本州と九州を隔てる海峡に面した湊です。江戸時代には北前船が日本海から瀬戸内海へ入る寄港地として栄え、多くの廻船と商人でにぎわいました。
安政3年(1856年)に刊行された、揃物の中でも後の時期の図です。東京国立博物館や国立国会図書館にも同じ構図の刷りがあります。大きな廻船を画面いっぱいに描いたこの図は、海運で栄えた湊の勢いをよく伝えています。
描かれた 場所の 今
下関の唐戸のあたりは、今も関門海峡を見渡す港町です。昭和48年(1973年)に開通した関門橋が九州と結び、唐戸市場にはふぐをはじめ海の幸が並びます。対岸の門司港とは連絡船で行き来でき、海峡の景色を間近に楽しめます。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-245
海外の所蔵館
- シカゴ美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
シカゴ 作品番号 1965.994
出典・参考
- Art Institute of Chicago: Nagato Province: Shimonoseki (Nagato, Shimonoseki)(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- ColBase(東京国立博物館): 六十余州名所図会 長門 下の関(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- 国立国会図書館デジタルコレクション: 六十余州名所図会 長門 下の関(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
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