名画のふるさと名画と画家を地域から探す
東海道五拾三次之内 鞠子 名物茶店
画像:Art Institute of Chicago(作品ページ(新しいタブで開きます))(当サイトで縮小して掲載) CC0(新しいタブで開きます) 拡大して見る

東海道五拾三次之内 ・ 21

鞠子 名物茶店

とうかいどうごじゅうさんつぎのうち まりこ めいぶつちゃみせ

The Fifty-three Stations of the Tokaido: The Famous Teahouse at Mariko

「名ぶつとろろ汁」の看板を掲げた茅葺きの茶店で、旅人がとろろ汁をかき込む丸子宿の図です。芽吹きはじめた木々と、背後のなだらかな山が、のどかな宿場の春を感じさせます。

制作年
天保4〜5年頃(1833〜34年頃)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
東海道五拾三次之内(全55図)
描かれた場所
鞠子宿(静岡県)

作品について

画面右の茶店の前には「名ぶつとろろ汁」と書いた看板が立てかけられ、床几に腰かけた旅人が椀を口に運んでいます。店の中から女が給仕をし、軒には「お茶漬け」「酒さかな」の札も下がっています。

丸子のとろろ汁は、松尾芭蕉が「梅若菜丸子の宿のとろろ汁」と詠んだことでも知られる名物です。茶店の脇には芽吹いた木が枝を伸ばし、句に詠まれた季節を思わせます。

左手には杖を担いで歩き去る旅人がいて、店の背後には丸い山がなだらかに盛り上がります。空の上端は赤くぼかされています。本図の画面では宿名が「丸子」と書かれ、後の摺りで「鞠子」と改められました。

丸子宿は江戸から20番目の宿場で、東海道でも規模の小さな宿場でした。それでも、とろろ汁という名物があったことで、旅人の記憶に残る場所になりました。広重は名所の景色ではなく、名物を味わう旅人のくつろいだ表情を主題にしています。茶店の屋根の茅の質感や、軒先に下がる干し物まで細かく描かれています。

描かれた場所の今

丸子は今も山芋の産地として知られ、とろろ汁が名物として受け継がれています。旧東海道沿いには本陣跡の碑や芭蕉の句碑が建ち、小さな宿場の面影をたどることができます。近くには国の史跡・名勝の吐月峰柴屋寺もあります。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)

出典・参考

姉妹サイト

同じ土地の名物や、天然記念物の動物、祭りも訪ねてみませんか。