名画のふるさと名画と画家を地域から探す
名所江戸百景 小奈木川五本まつ
画像:Art Institute of Chicago(作品ページ(新しいタブで開きます))(当サイトで縮小して掲載) CC0(新しいタブで開きます) 拡大して見る

名所江戸百景 ・ 97

小奈木川五本まつ

めいしょえどひゃっけい おなぎがわごほんまつ

One Hundred Famous Views of Edo: The Five Pines on the Onagi River

深川の小名木川に枝を張り出した老松「五本松」と、その下をゆったりと行く舟を描いた秋の一図です。大きく曲がって描かれた川筋が、見る人の目を自然に画面の奥へと導きます。

制作年
安政3年(1856)7月
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
名所江戸百景(全119図)
描かれた場所
小名木川(東京都)

作品について

画面の上半分を、左の岸から川の上へ枝を伸ばす一本の大きな松が占めます。枝は何本もの支柱に支えられ、その下を船頭が棹さす舟が客を乗せて進みます。川は右へ大きく曲がりながら奥へ続き、両岸の土手と家並みが遠くまで連なります。

濃い藍の川面と、空の下端に差す淡い紅が秋の夕暮れを思わせます。実際の小名木川はまっすぐな運河ですが、広重は川筋を大きく曲げて奥行きを出したとされ、松の枝と川の弧が画面の中で呼び合う構図になっています。

小名木川は徳川家康が行徳の塩を江戸へ運ぶために開かせた運河と伝わり、成田山へ参る人々を乗せた舟も行き来しました。五本松は大名の下屋敷から川面に枝を差し出した名木で、幕末には一本だけになっても五本松と呼ばれたとされます。

秋の部の終わり近くに置かれた図です。改印は安政3年(1856)7月で、揃物の刊行が始まって半年ほどの頃にあたります。木を手前に大きく置いて遠景と対比させる、この揃物に多い構図の一つです。

描かれた場所の今

小名木川は今も江東区を東西に流れ、護岸には遊歩道や親水テラスが整えられています。四ツ目通りの小名木川橋の北詰には「五本松跡」の碑が立ち、植え直された松が育っていますが、枝が川面に届くほどではありません。江戸の舟運を支えた運河の姿をしのべます。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

海外の所蔵館

出典・参考

姉妹サイト

姉妹サイトで、同じ土地の別の魅力も訪ねてみませんか。