名所江戸百景 ・ 52
赤坂桐畑
めいしょえどひゃっけい あかさかきりばたけ
One Hundred Famous Views of Edo: The Paulownia Grove at Akasaka
作品に ついて
画面のまん中を、桐の幹が下から上まで太く貫きます。右にも細い桐が立ち、大きな葉と紫の花房をつけています。幹の間からは溜池が広がり、水面には水草が点々と浮かびます。対岸には家が並び、左には松や木々の茂る丘が続きます。岸辺の道には人影がほとんどなく、静かな郊外の水辺です。
空は上の濃い藍色から白へとぼかされ、雨の近い初夏の空気が感じられます。手前の木を極端に大きく描いて、遠くの景色をのぞかせる構図は、この揃物でよく使われる手法です。
溜池は江戸城の外堀を兼ねた貯水池で、土手を固めるために桐が植えられたとされます。桐は箪笥や下駄の材になる木で、この辺りは「桐畑」と呼ばれていました。池の周りは武家屋敷が多く、町なかの喧騒から離れた落ち着いた場所でした。
夏の部の1図です。二代広重も同じ場所を雨の夕景として描き、「赤坂桐畑雨中夕けい」として揃物に加えられています。二つを比べると、師弟の画風の違いがわかります。
描かれた 場所の 今
溜池は明治時代に埋め立てられ、今は外堀通りの溜池交差点や地下鉄の溜池山王駅に名を残すだけです。辺りは首相官邸や国会議事堂に近いオフィス街になり、かつての池の面影はほとんどありません。溜池の跡を示す碑が、交差点の近くに立っています。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-366
- 国立国会図書館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・千代田区 作品番号 寄別1-8-2-1イ
- 国立国会図書館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・千代田区 作品番号 寄別1-8-2-1
海外の所蔵館
- シカゴ美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
シカゴ 作品番号 1939.1415
出典・参考
- Art Institute of Chicago: The Paulownia Grove at Akasaka (Akasaka Kiribatake), from the series "One Hundred Famous Views of Edo (Meisho Edo hyakkei)"(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- ColBase(東京国立博物館): 名所江戸百景 赤坂桐畑(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- Wikipedia: One Hundred Famous Views of Edo(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
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