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六十余州名所図会 ・ 7

伊勢 朝熊山 峠の茶屋

ろくじゅうよしゅうめいしょずえ いせ あさまやま とうげのちゃや

Famous Places in the Sixty-odd Provinces: Ise Province: Teahouses on the Pass of Mount Asama

伊勢神宮の東にそびえる朝熊山の峠道を描いた図です。両側に茶屋が建つ広場から深い谷を見下ろし、その先に伊勢湾と帆船、遠くの陸地までを一望に収めています。参詣の人々が一息ついた峠の賑わいも伝わります。

制作年
嘉永6年(1853年)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
六十余州名所図会(全69図)
描かれた場所
朝熊山(三重県)

作品について

画面の手前は峠の広場で、左右にわら屋根の大きな茶屋が建ち、軒先に赤い提灯が下がっています。笠をかぶった旅人や日傘を差した人が行き交い、中央には石垣と石塔が見えます。広場の先は深い谷になり、緑の山々が幾重にも重なって海辺へ下っていきます。

谷の向こうには藍色の海が広がり、白い帆の船が点々と浮かびます。水平線は赤く染まり、右手に遠い陸地が横たわります。両側の木々と茶屋で画面を縁取り、中央に谷と海を抜けさせる構図で、山の高さと眺めの広さが一度に伝わります。

朝熊山の山上には金剛證寺があり、伊勢神宮の鬼門を守る寺とされてきました。伊勢参りをしたら朝熊山にも登るものだと伊勢音頭に歌われ、参詣の人々は神宮と合わせてこの山に詣でました。峠の茶屋は、その人々が一息つき、伊勢湾の眺めを楽しんだ場所と考えられます。

揃物は伊勢国の名所に、神宮そのものではなく朝熊山からの眺めを選んでいます。シカゴ美術館にはこの図がなく、本図の画像は東京国立博物館の刷りです。国立国会図書館の刷りも同じ構図です。

描かれた場所の今

朝熊山は標高555メートルで、今は伊勢志摩スカイラインで山上まで車で上れます。山頂近くの展望台からは伊勢湾や鳥羽の島々を見渡せ、晴れた日には富士山が見えることもあるとされます。山上の金剛證寺には今も参詣の人が訪れます。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

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出典・参考

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