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六十余州名所図会 ・ 8

志摩 日和山 鳥羽湊

ろくじゅうよしゅうめいしょずえ しま ひよりやま とばみなと

Famous Places in the Sixty-odd Provinces: Shima Province: Toba Harbor from Mount Hiyori

志摩国の鳥羽の港を、日和山の高台から見下ろした図です。入江に停まる帆船と港の家並み、松の茂る岬、沖に浮かぶ島々を、青の濃淡を重ねた広い海の中に描いています。風待ちの港として栄えた鳥羽の姿を伝えます。

制作年
嘉永6年(1853年)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
六十余州名所図会(全69図)
描かれた場所
日和山(鳥羽)(三重県)、鳥羽港(三重県)

作品について

画面の右下から中ほどへ、松の木が並ぶ緑の岬が海に突き出ています。手前の浜辺には瓦屋根の家並みが広がり、その先の入江には帆を張った船や帆を下ろした船が何艘も停まっています。岬のふもとにも家が点々と見えます。

画面の大半を占める海は、手前の深い藍から沖の淡い青へと色を変え、帆船が奥へ向かって小さくなっていきます。左上には緑の島が浮かび、右奥にも島影が連なります。水平線は赤く染まり、空の上端は濃い色でぼかされています。

鳥羽は、大坂と江戸を結ぶ廻船が風や潮を待つ港として栄えました。日和山は港の近くの小高い山で、船乗りがここから空と海の様子を見て船を出す日を決めたことが、名の由来とされます。題の「鳥羽湊」と合わせ、港町の暮らしを支えた場所が選ばれています。

島の多い志摩の海を、岬と島、船の配置で奥行きよく見せた一枚です。シカゴ美術館にはこの図がなく、本図の画像は東京国立博物館の刷りです。国立国会図書館の刷りも同じ構図です。

描かれた場所の今

日和山は鳥羽駅の近くにあり、今も山頂の展望台から鳥羽湾の島々を見渡せます。展望台には、文政5年(1822年)に置かれたとされる八角柱の方位石が残り、船乗りが方角や空模様を確かめた江戸時代の港の様子をしのべます。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

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出典・参考

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