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六十余州名所図会 ・ 65

日向 油津ノ湊 飫肥大島

ろくじゅうよしゅうめいしょずえ ひゅうが あぶらつのみなと おびおおしま

Famous Places in the Sixty-odd Provinces: Hyuga Province: Aburatsu Harbor and Oshima at Obi

日向国の油津の港を、高台の建物から見下ろした図です。入り江には帆船が何艘も停まり、奥には切り立った岬と大島が並んで、外海の水平線が夕焼けに赤く染まっている、明るい港の図です。

制作年
安政3年(1856年)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
六十余州名所図会(全69図)
描かれた場所
油津(宮崎県)、大島(日南市)(宮崎県)

作品について

左下の手前には二階建ての建物と松が見え、そこから青い入り江を見下ろしています。右には帆柱の高い船が並んで停まり、小舟も行き交います。左の岸は砂浜が弧を描き、その先に黄土色の岩肌の山が海へ落ち込んでいます。

奥には松の茂る岩の島々が並び、その向こうに外海が開けて、白い帆が点々と浮かびます。水平線の上は赤く染まり、空の上の藍へとぼかされています。山や島には小さく名前が書き込まれています。手前の建物から入り江、外海へと視線が自然に奥へ導かれる構図です。

油津は飫肥藩の港で、藩の特産だった飫肥杉の積み出し港として栄えました。題の飫肥大島は、油津の沖に浮かぶ大島を指すと考えられます。港には藩が運河を開き、杉の木材を舟で運び出して大坂などへ送りました。

国立国会図書館の刷りも同じ構図です。入り江を高台から見下ろす構図で、天然の良港の姿を伝えています。九州の南の果ての港を、広重は伝え聞いた姿をもとに描いたと考えられます。

描かれた場所の今

油津は今の宮崎県日南市の港町で、飫肥藩が江戸時代に開いた堀川運河が残り、石積みの護岸や橋が往時の面影を伝えています。沖の大島は日南海岸国定公園に含まれ、港からは今もカツオ漁などの漁船が出入りしています。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

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出典・参考

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