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六十余州名所図会 肥後 五かの庄
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六十余州名所図会 ・ 64

肥後 五かの庄

ろくじゅうよしゅうめいしょずえ ひご ごかのしょう

Famous Places in the Sixty-odd Provinces: Higo Province: Gokanosho

肥後国の山深い五家荘を描いた図です。雲の湧く谷に自然の岩の橋が架かり、薪を担いだ人がその上を渡っています。奥には頂を赤く染めた、切り立った灰色の岩山がそびえています。

制作年
安政3年(1856年)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
六十余州名所図会(全69図)
描かれた場所
五家荘(熊本県)

作品について

画面の中央を、岩が弓なりにつながった天然の橋が横切り、その上を薪の束を天秤棒で担いだ人が歩いています。橋の下には深い谷が口を開け、白い雲が湧き上がっています。左には赤い幹の松が高く伸びています。

奥には頂を赤く染めた灰色の岩山がそびえ、空は青から黄色へとぼかされています。緑の茂みと白い雲、灰色の岩が重なり合い、人の姿の小ささが山の深さを際立たせています。雲で谷底を隠すことで、橋の高さと危うさがいっそう強く感じられます。

五家荘は九州山地の奥にある山里で、平家の落人が隠れ住んだという伝説で知られます。江戸時代には外から訪れる人の少ない秘境でした。五つの村からなることがその名の由来とされ、険しい山道でほかの土地と結ばれていました。

広重は九州を訪れていないとされ、伝え聞いた秘境の姿を、岩橋と雲で想像をまじえて描いたと考えられます。メトロポリタン美術館なども同じ図を所蔵しています。

描かれた場所の今

五家荘は今の熊本県八代市泉町の山あいの地域で、平家の落人伝説が伝わる集落や、谷に架かる吊り橋が残ります。秋には山々の紅葉が美しく、九州山地の深い自然にふれられる秘境の観光地として、訪れる人が絶えません。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

出典・参考

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