六十余州名所図会 ・ 29
出羽 最上川 月山遠望
ろくじゅうよしゅうめいしょずえ でわ もがみがわ がっさんえんぼう
Famous Places in the Sixty-odd Provinces: Dewa Province: Mogami River and a Distant View of Mount Gassan
作品に ついて
画面の下には黄色い帆を張った大きな船が何艘も浮かび、筏や小舟も行き交います。中ほどの右岸には砂州が延び、木立の中にわら屋根の集落があります。川は奥へ向かって大きく曲がり、さらに遠くまで点々と帆が続いています。
川の水色、岸の緑、帆の黄が明るい調子をつくり、奥の山は灰色と紫で落ち着いた色に抑えています。手前から奥へ帆を小さくしていくことで、川の長さと奥行きがはっきり感じられ、遠景の月山との対比も強まります。夕方を思わせる空の黄色と山裾の紫の帯が、川の景色に穏やかな時間の流れを与えています。
最上川は出羽の内陸から酒田の湊へ流れ、江戸時代には米や紅花を運ぶ舟運の大動脈でした。芭蕉の「五月雨をあつめて早し最上川」でも知られます。月山は出羽三山の一つで、山岳信仰の霊山として多くの行者や参詣者が登りました。
画面を埋める帆船は、舟運で栄えた最上川の姿を伝えるものと考えられます。シカゴ美術館は2枚を所蔵し、国立国会図書館にも同じ構図の刷りがあります。
描かれた 場所の 今
最上川は山形県内だけを流れる川で、富士川・球磨川とともに日本三大急流に数えられます。戸沢村などでは舟下りが行われ、船頭の唄を聞きながら川を下れます。月山は標高1984mで夏まで雪が残り、山頂には月山神社が鎮座しています。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-222
海外の所蔵館
- シカゴ美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
シカゴ 作品番号 1965.974
出典・参考
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