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木曽海道六拾九次之内 ・ 64

鳥居本

きそかいどうろくじゅうきゅうつぎのうち とりいもと

The Sixty-nine Stations of the Kisokaido: Toriimoto

鳥居本宿の手前、摺針峠の茶屋から琵琶湖を見下ろした図です。崖の上の茶屋で旅人がくつろぎ、眼下には湖と帆掛け舟、遠くの山並みが夕焼けの中に広がります。旅人が足を止めた絶景が伝わります。

制作年
天保6〜9年頃(1835〜38年頃)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
木曽海道六拾九次之内(全71図)
描かれた場所
鳥居本宿(滋賀県)、琵琶湖(滋賀県)

作品について

左には崖に寄り添うように建つ二階建ての茶屋があり、石垣の上の縁台で旅人たちが休んでいます。崖の下の坂道を、二人の男が下っていきます。右下には家の屋根がのぞき、その先に琵琶湖が広がります。湖には帆掛け舟が浮かび、対岸には低い山並みが連なります。

左の崖を大きく斜めに切り取り、右に湖の広がりを見せる大胆な構図です。空は上の藍から下の淡い朱へと移り、湖の青と呼応しています。崖から湖へ身を乗り出す一本の松が、高さと奥行きを際立たせています。

鳥居本宿は近江国坂田郡の宿場で、薬の赤玉神教丸や合羽が名物でした。宿の北の摺針峠には、琵琶湖を一望できる茶屋「望湖堂」があり、旅人の休み場として名高かったとされます。図の茶屋はこの望湖堂と考えられます。

広重の図で、朱印は誤って「六拾三」と捺されています。宿場の町ではなく峠からの眺めを選び、この揃物で初めて琵琶湖を大きく描きました。湖は終点の大津の図にもふたたび現れます。

描かれた場所の今

鳥居本宿は今の滋賀県彦根市鳥居本町にあたり、赤玉神教丸の本舗や「本家合羽所」の看板を掲げた家など、重厚な家並みが残ります。摺針峠の茶屋の建物は1991年の火事で失われたとされますが、峠からは今も湖が望めます。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

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出典・参考

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