木曽海道六拾九次之内 ・ 64
鳥居本
きそかいどうろくじゅうきゅうつぎのうち とりいもと
The Sixty-nine Stations of the Kisokaido: Toriimoto
作品に ついて
左には崖に寄り添うように建つ二階建ての茶屋があり、石垣の上の縁台で旅人たちが休んでいます。崖の下の坂道を、二人の男が下っていきます。右下には家の屋根がのぞき、その先に琵琶湖が広がります。湖には帆掛け舟が浮かび、対岸には低い山並みが連なります。
左の崖を大きく斜めに切り取り、右に湖の広がりを見せる大胆な構図です。空は上の藍から下の淡い朱へと移り、湖の青と呼応しています。崖から湖へ身を乗り出す一本の松が、高さと奥行きを際立たせています。
鳥居本宿は近江国坂田郡の宿場で、薬の赤玉神教丸や合羽が名物でした。宿の北の摺針峠には、琵琶湖を一望できる茶屋「望湖堂」があり、旅人の休み場として名高かったとされます。図の茶屋はこの望湖堂と考えられます。
広重の図で、朱印は誤って「六拾三」と捺されています。宿場の町ではなく峠からの眺めを選び、この揃物で初めて琵琶湖を大きく描きました。湖は終点の大津の図にもふたたび現れます。
描かれた 場所の 今
鳥居本宿は今の滋賀県彦根市鳥居本町にあたり、赤玉神教丸の本舗や「本家合羽所」の看板を掲げた家など、重厚な家並みが残ります。摺針峠の茶屋の建物は1991年の火事で失われたとされますが、峠からは今も湖が望めます。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-132
海外の所蔵館
出典・参考
- ColBase(東京国立博物館): 木曽海道六拾九次之内 鳥居本(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- 国立国会図書館デジタルコレクション: 六拾三 木曽海道六拾九次之内鳥居本(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- Wikipedia: 木曽海道六十九次(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
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