名画のふるさと名画と画家を地域から探す

松林図屏風

しょうりんずびょうぶ

Pine Forest

長谷川等伯が、墨の濃淡だけで霧に包まれた松林を描いた六曲一双の屏風です。近づくと松の葉の激しい筆の勢いに驚き、離れると霧の中で風に揺れる静かな林が見えてくる国宝です。

制作年
安土桃山時代・16世紀
技法・形式
屏風

作品について

白い紙の上に、墨だけで松林と霧、光が表されています。松は四つほどのまとまりに分けて置かれ、木々の間を風が抜けていくような間合いがあります。墨の濃淡の移り変わりで光の強弱を表し、林の奥には遠い雪山が薄く描かれています。冷たく湿った空気まで感じさせる画面です。

近づいて松の葉を見ると、迷いなく一気に引かれた激しい筆の跡がわかります。使った筆は、穂先をいくつも重ねたもの、竹の先を砕いたもの、わらを束ねたものなどが考えられていますが、はっきりしていません。離れて見ると、松の幹は能を舞うように風に揺れています。等伯は日本の伝統的な題材である松林を、中国絵画から学んだ水墨の技法で描きました。

描かれた場所は、等伯の故郷・能登の浜辺とする説や、天橋立、三保の松原とする説があります。右隻の右端で切れた松が左隻の左端の枝先につながって見えることから、もとは左右が逆だったという説、紙の継ぎ目がそろわず粗い紙を使っていることから下絵だったとする説もあり、謎の多い作品です。東京国立博物館が所蔵しています。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

出典・参考