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木曽海道六拾九次之内 洗馬
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木曽海道六拾九次之内 ・ 32

洗馬

きそかいどうろくじゅうきゅうつぎのうち せば

The Sixty-nine Stations of the Kisokaido: Seba

満月の夜、柳の揺れる川辺を舟がゆっくりと進む洗馬の図です。風にしなる柳と雲間の月、水面に浮かぶ二艘の舟が、静かで寂しい夜の景色を作り、揃物屈指の名作とされます。

制作年
天保6〜9年頃(1835〜38年頃)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
木曽海道六拾九次之内(全71図)
描かれた場所
洗馬宿(長野県)

作品について

手前の川を、柴のような荷を積んだ舟を船頭が竿で操り、右奥へ進んでいます。その先にももう一艘の舟が見えます。左の岸には柳が何本も立ち、長い枝を風になびかせています。岸辺には葦が茂り、奥の土手には藁屋根の家々が並びます。

空には横に長くたなびく雲が藍と墨で重ねられ、その切れ間に白い満月が浮かびます。川の水は藍のぼかしで、手前ほど深い色になっています。柳の細い線と、雲の横の流れ、舟の斜めの線が組み合わさり、風の動きと夜の静けさを同時に表しています。

洗馬は本山と塩尻の間の宿で、中山道と善光寺へ向かう北国西街道が分かれる追分の宿でした。地名は木曽義仲の家臣が馬を洗ったことに由来するという伝説がありますが、それより古い記録にも名が見えます。

歌川広重の担当の図です。宿場の町を描かず、川辺の夜の情景だけで宿を表しています。月と柳と舟の組み合わせは、詩情を重んじた広重の風景画の特色をよく示すもので、この揃物の中でも特に評価の高い一枚とされます。

描かれた場所の今

洗馬宿の跡は塩尻市宗賀にあり、旧道沿いに宿場の名残をとどめる家並みが見られます。宿の外れには中山道と善光寺へ向かう北国西街道の分岐点があり、道標が残ります。地名の由来とされる義仲ゆかりの清水の跡も伝わっています。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

出典・参考

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