東海道五拾三次之内 ・ 30
浜松 冬枯ノ図
とうかいどうごじゅうさんつぎのうち はままつ ふゆがれのず
The Fifty-three Stations of the Tokaido: Desolate Winter Scene at Hamamatsu
作品に ついて
画面の中央を、太い杉の幹が上下に貫いています。その根元で旅人や土地の人が焚火を囲み、手をかざして暖を取っています。煙は黒からしだいに白へと色を変えながら、幹に沿って空へ昇っていきます。杉の幹は赤みのある色で塗られ、くすんだ冬の野の中でひときわ目立ちます。
火の輪から少し離れて、笠をかぶった旅姿の男が一人立ち、焚火のほうを見ています。後ろには刈り取りを終えた田が広がり、稲わらを積んだ山が点々と見えます。田の中の松林には立て札があり、東京富士美術館はこれを「颯々松(ざざんざのまつ)」と呼ばれた旧跡としています。室町幕府の将軍足利義教が、この松の下で酒宴を開いたと伝わる場所です。火を囲む人々は背を丸めて身を寄せ、寒さの厳しさが姿勢から伝わります。
右奥には浜松の町並みと浜松城の天守が描かれています。浜松は遠州で最大の宿場で、天保年間には本陣が6軒、旅籠が94軒あったと浜松市の資料にあります。冬枯れの野の寒さと、火を囲む人のぬくもりを一枚に収めた図です。空は上の端だけを濃い藍で摺り、下は白く残して、乾いた冬の空気を表しています。地平線の近くには、葉を落とした細い木々が並びます。
描かれた 場所の 今
浜松宿は今の浜松市中央区の中心部にありました。浜松城の跡は浜松城公園となり、天守曲輪には野面積み(自然の石をほぼそのまま積む方法)の石垣が残ります。今の天守閣は、昭和33年(1958)に市民の寄付で復興されたものです。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-34
- 東京富士美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・八王子市
この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)
海外の所蔵館
- シカゴ美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
シカゴ 作品番号 1925.3532
出典・参考
- Art Institute of Chicago: Hamamatsu: Winter Scene (Hamamatsu, fuyugare no zu)(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- ColBase(東京国立博物館): A-12499-34(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 東京富士美術館 収蔵品: 東海道五拾三次之内 濱松 冬枯ノ図(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 国立国会図書館デジタルコレクション: 東海道五拾三次 浜松・冬枯ノ図(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
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