木曽海道六拾九次之内 ・ 10
岐阻街道 深谷之駅
きそかいどう ふかやのえき
The Sixty-nine Stations of the Kisokaido: Fukaya Station
深谷宿の夜、宿屋の前を着飾った女たちが行き交う図です。格子の奥には客を待つ女の姿があり、提灯を下げて歩く女たちの向こうに、通りを行く男たちが黒い影絵のように描かれています。
- 画家
- 渓斎英泉
- 制作年
- 天保6〜7年頃(1835〜36年頃)
- 技法・形式
- 木版画(浮世絵)
- 揃物
- 木曽海道六拾九次之内(全71図)
- 描かれた場所
- 深谷宿(埼玉県)
作品に ついて
左には2階建ての大きな宿屋が建ち、格子の奥には頬杖をつく女が座っています。店先には長い着物の裾を持ち上げた女たちが5人並び、先頭の女は丸い提灯を下げています。店の奥では客を迎える人の姿も見えます。
右半分は夜の闇に沈み、笠をかぶったり杖をついたりした男たちが灰色の影だけで描かれています。色鮮やかな女たちと影の男たちを並べる大胆な構図は、英泉の美人画の腕が生きた、この揃物でも異色の一図です。
深谷宿は中山道でも指折りの大きな宿場で、多くの旅籠に飯盛女が置かれ、江戸を発った旅人の2泊目の宿としてにぎわいました。この図の女たちも、そうした宿場の女と考えられます。
英泉の図で、題は「岐阻街道」、署名はありません。風景ではなく人物を主役にした構図に、美人画で名高い英泉らしさが表れています。夜の宿場を描いた図は揃物でも珍しく、昼の街道とは違う、宿場の夜のにぎわいという旅のもう一つの顔を伝えています。
描かれた 場所の 今
深谷宿は今の埼玉県深谷市の旧中山道沿いにあたり、天保11年(1840年)に建てられた常夜燈が宿の入り口に残っています。夏の七夕まつりは、宿場の女たちの星祭りが始まりと伝えられ、今も市の夏の行事として続いています。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-74
海外の所蔵館
出典・参考
- ColBase(東京国立博物館): 岐阻街道 深谷之駅(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- 国立国会図書館デジタルコレクション: 第十 岐阻街道深谷之駅(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
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