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六十余州名所図会 ・ 39

但馬 岩井谷 窟観音

ろくじゅうよしゅうめいしょずえ たじま いわいだに いわやかんのん

Famous Places in the Sixty-odd Provinces: Tajima Province: The Cave Kannon in Iwai Valley

但馬国(兵庫県北部)の山あいにある岩屋の観音を描いた図です。切り立った岩壁に小さな堂が張り付き、長い石段が谷へ下り、画面の手前には青い滝が勢いよく流れ落ちています。

制作年
嘉永6年(1853年)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
六十余州名所図会(全69図)
描かれた場所
岩屋観音(鷲原寺奥の院)(兵庫県)

作品について

画面の左を灰色の大きな岩壁が占め、その中腹に懸造りの小さな堂が岩に寄り添うように建っています。堂からは石段が谷へ続き、下には茅葺きの建物があります。右下では青い滝が白い筋を立てて落ち、奥には緑の山が重なります。

岩肌の灰色、杉木立の深い緑、滝の藍が画面を引き締め、谷間には桃色と黄色の霞が帯のように流れます。縦長の画面を岩壁と滝で左右から挟み、中ほどの霞で奥行きを出した、山深い霊場らしい構図です。

題の岩井谷の窟観音は、今の兵庫県朝来市岩津にある鷲原寺の奥の院、岩屋観音とされます。大岩の下に石仏群がまつられた場所で、江戸時代には但馬の霊場として知られていたと考えられます。寺の奥の院へは、谷沿いの山道をたどって参ったと考えられます。

山陰道の但馬は、揃物では丹後の天橋立の次に置かれています。AIC にはこの図がなく、画像は東京国立博物館の刷りです。国立国会図書館の刷りも同じ構図です。険しい岩山に堂を構える霊場の姿は、揃物の三河の鳳来寺や備後の阿伏兎観音の図にも通じる題材です。

描かれた場所の今

岩屋観音は鷲原寺から谷を1kmほど入った奥の院で、大岩の下に十一面観音や千手観音など鎌倉時代とされる石仏群がまつられています。石仏群は兵庫県の指定文化財で、節分と4月の大祭、毎月18日の午前に開帳されます。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

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出典・参考

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