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名所江戸百景 両国花火
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名所江戸百景 ・ 98

両国花火

めいしょえどひゃっけい りょうごくはなび

One Hundred Famous Views of Edo: Fireworks at Ryōgoku

夏の夜の両国橋と隅田川に上がる花火を描いた一図です。暗い夜空に一筋の打ち上げ花火と散る火の粉を置き、橋の上と川面を埋める見物の人々や舟を、小さく細やかに描いています。

制作年
安政5年(1858)8月
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
名所江戸百景(全119図)
描かれた場所
両国橋(東京都)、隅田川(東京都)

作品について

画面の下に両国橋が左から右へ斜めに架かり、橋の上は見物の人々で埋まっています。川面には屋形船や小舟がひしめき、灯りをともした大きな船も見えます。画面の上の大部分は夜空で、細く昇る花火の軌跡と、右上で開いた火の粉が描かれます。

灰色がかった夜空を大きく取り、白く細い線と点だけで花火を表した大胆な構図です。暗い空と明るい青の川との対比が夜の情景を際立たせ、遠くの町並みは花火の煙にかすむように描かれています。花火そのものより、それを見上げる夜の町の気配が主役になっているといえます。

両国の川開きの花火は、享保18年(1733)に飢饉と疫病の死者を弔う水神祭の折に上げたのが始まりと伝わります。両国橋の周りは見世物小屋や茶屋の並ぶ江戸一番の盛り場で、花火の夜には大勢の見物客が集まりました。

夏の景物ですが、揃物では秋の部に置かれています。改印は安政5年(1858)8月で、初代広重が亡くなる前の月の刊行にあたります。夜空を大きく取った構図で、この揃物の中でもよく知られた一図です。

描かれた場所の今

両国の花火は中断を経て、1978年から「隅田川花火大会」として毎年7月に開かれています。会場は両国より上流の桜橋〜言問橋と駒形橋〜厩橋の間に移りました。両国橋は1932年に完成した鉄の橋です。橋の上からは今も隅田川の眺めが開けます。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

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出典・参考

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