木曽海道六拾九次之内 ・ 62
酔か 井
きそかいどうろくじゅうきゅうつぎのうち さめがい
The Sixty-nine Stations of the Kisokaido: Samegai
醒井宿の外れ、大きな松の木の下を旅人が行く様子を描いた図です。丘の上の茶屋と藁屋根の家々の向こうには青い遠景が霞み、のどかな近江の街道の昼下がりを感じさせます。
- 画家
- 歌川広重
- 制作年
- 天保6〜9年頃(1835〜38年頃)
- 技法・形式
- 木版画(浮世絵)
- 揃物
- 木曽海道六拾九次之内(全71図)
- 描かれた場所
- 醒井宿(滋賀県)
作品に ついて
画面の中央に大きな松がそびえ、その下を槍を担いだ男と供の男が歩いていきます。右の丘の上には藁屋根の茶屋があり、腰掛けた人がこちらを見ています。左奥には藁屋根の家々と杉や松の林が並び、その向こうに青く霞んだ遠景がのぞきます。
画面を左右に分ける松の幹は淡い赤で摺られ、くねる枝が空いっぱいに広がっています。右の緑の丘と左の家並みが斜めに向かい合い、松を中心に目が奥へ導かれます。茶屋の黄色い藁屋根が、緑の中で明るい色の点になっています。
醒井宿は近江国坂田郡の宿場で、地名はヤマトタケルの伝説に出てくる「居醒の清水」に由来するとされます。霊仙山からの湧き水が豊かで、旅人が喉をうるおす休み場として知られました。この清水は養老の滝の伏流水だという言い伝えもありました。
広重の図です。題の宿場名は「酔か井」と書かれ、今の醒井とは字が違います。名高い清水ではなく、宿場の外れの街道の一場面を描いているのは、この揃物の広重の図によく見られる選び方です。
描かれた 場所の 今
醒井宿は今の滋賀県米原市醒井にあたり、町並みの中を湧き水の地蔵川が流れます。川には夏に白い花をつける梅花藻が育ち、「居醒の清水」も今に残ります。一帯は日本遺産「琵琶湖とその水辺景観」の構成文化財です。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-130
海外の所蔵館
出典・参考
- ColBase(東京国立博物館): 木曽海道六拾九次之内 酔か井(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- 国立国会図書館デジタルコレクション: 六拾二 木曽海道六拾九次之内醒か井(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- Wikipedia: 木曽海道六十九次(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
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