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不忍池図
画像:Wikimedia Commons(作品ページ(新しいタブで開きます))/所蔵:秋田県立近代美術館(当サイトで縮小して掲載)。所蔵館の提供ではありません PD-Art (PD-old-auto-expired)(新しいタブで開きます) 拡大して見る

不忍池図

しのばずのいけず

Shinobazu Pond

秋田藩士の小田野直武が、江戸の不忍池を背景に鉢植えの芍薬を大きく描いた、秋田蘭画を代表する作品です。手前の草花と遠くの池を一つの画面に並べ、西洋の遠近法に挑んでいます。重要文化財です。

制作年
1770年代(安永年間)
技法・形式
その他
描かれた場所
不忍池(東京都)

作品について

横長の画面の右手前に、赤茶色の鉢に植えられた芍薬が大きく描かれています。淡い紅色と白の大輪の花が二つ開き、その下には青い小花を挿した白い鉢が寄り添います。右端には太い木の幹が立ち、左手前には切り株が置かれています。その向こうには水面が静かに広がり、遠くの岸に家並みと、池の中島のお堂が小さく見えます。

近くの物をとても大きく、遠くの景色をとても小さく描き分け、間の距離を一気に感じさせる構図です。花びらや鉢には陰影がつけられ、物の立体感が表されています。文化庁の解説では、直武が江戸に勤めていた頃に見た不忍池の実景がもとになっているとされ、舶来の顔料を使った豊かな色も見どころに挙げられています。

直武は、秋田藩に招かれた平賀源内から西洋画の手法を学び、江戸では『解体新書』の挿絵を描きました。ただし西洋の油絵を直接学んだわけではなく、手本はおもにオランダの書物の挿絵だったとされます。絹に日本の絵の具で描きながら、西洋の見方を取り入れたところに、秋田蘭画ならではの新しさがあります。

本作は1968年に重要文化財に指定され、秋田県立近代美術館(横手市)が所蔵しています。同館は年に一度は公開するとしているので、見に行く前に公開の予定を確かめるとよいでしょう。

描かれた場所の今

不忍池は東京・上野恩賜公園の南西にある池です。池の中島には今も弁天堂が建ち、夏には池の一面を蓮の葉が覆います。ボート池や動物園の側の池もあり、上野の美術館・博物館めぐりの途中に立ち寄れます。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

出典・参考

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