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東海道五拾三次之内 由井 薩埵嶺
画像:Art Institute of Chicago(作品ページ(新しいタブで開きます))(当サイトで縮小して掲載) CC0(新しいタブで開きます) 拡大して見る

東海道五拾三次之内 ・ 17

由井 薩埵嶺

とうかいどうごじゅうさんつぎのうち ゆい さったみね

The Fifty-three Stations of the Tokaido: Satta Pass at Yui

海に迫る薩埵峠の崖の上から、旅人が身を乗り出して駿河湾越しの富士山を眺める図です。切り立った崖、ねじれた松、海に浮かぶ白い帆が、遠くの富士へと視線を導いていきます。

制作年
天保4〜5年頃(1833〜34年頃)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
東海道五拾三次之内(全55図)
描かれた場所
由比宿(静岡県)
遠くに見える場所
富士山

作品について

画面左上の崖の端では、2人の旅人が岩につかまり、下をのぞき込んでいます。その視線の先には、青い駿河湾と、雪をかぶった白い富士山が広がっています。峠道の険しさと、開けた眺めの対比がこの図の見どころです。

崖から突き出した岩や、幹をくねらせて伸びる松は、富士の稜線と響き合うように配されています。海には白い四角い帆の船が並び、穏やかな水面にリズムを添えています。

薩埵峠は由比と興津の間にあり、山が海に迫る難所でした。峠を越える前の波打ち際の道は危険で、旅人が波にさらわれることもあったと伝えられています。崖の上の道からは、富士と海を一度に見渡すことができました。

題には「由井」と書かれていますが、今の地名は「由比」です。由比宿は江戸から16番目の宿場で、その本陣跡には広重の名を冠した静岡市東海道広重美術館があります。崖の濃い色と海の明るい青、富士の白がはっきり分かれた配色も、この図を引き締めています。遠くの山並みは淡い茶色で、富士の白さをいっそう際立たせています。

描かれた場所の今

薩埵峠(標高約244m)には展望地が整えられ、今も富士山と駿河湾を見渡せます。眼下の狭い海岸には東海道本線、国道1号、東名高速道路が並んで走ります。由比宿の本陣跡は由比本陣公園となり、園内に静岡市東海道広重美術館があります。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)

出典・参考

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