名画のふるさと名画と画家を地域から探す
名所江戸百景 利根川ばらばらまつ
画像:Art Institute of Chicago(作品ページ(新しいタブで開きます))(当サイトで縮小して掲載) CC0(新しいタブで開きます) 拡大して見る

名所江戸百景 ・ 71

利根川ばらばらまつ

めいしょえどひゃっけい とねがわばらばらまつ

One Hundred Famous Views of Edo: Scattered Pines on the Tone River

江戸川の河口に近い辺りで、漁師の投げた網が画面いっぱいに広がる図です。網の向こうに帆掛け船とまばらな松が見え、空には白鷺が飛んでいます。網を通して景色を見せる、きわめて独創的な構図です。

制作年
安政3年(1856)8月
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
名所江戸百景(全119図)
描かれた場所
江戸川(東京都)

作品について

画面の右半分を、投げられたばかりの網が大きく覆い、透けた網目越しに帆掛け船の帆が見えます。左手前には葦が茂り、川には漁師の小舟が浮かびます。奥の岸には葦原とまばらな松、家々が並び、空には白鷺が二羽飛んでいます。小舟の上では、男が網を引き寄せています。

網の灰色の細かな線で、透けて見える景色を表した、大胆で新しい構図です。手前の網と奥の景色の対比で、川の広さと漁の一瞬をとらえています。

題の利根川は、その分流の江戸川のことで、当時の下流は今の旧江戸川にあたります。「ばらばら松」はまばらに生えた松の名所とされますが、場所ははっきりせず、妙見島の辺りから上流を見た図とする説が有力です。この辺りは江戸の東の水郷で、漁が盛んに行われていたとされます。

夏の部の1図で、改印は安政3年8月です。前景のものを大きく描いて奥をのぞかせる揃物の手法の中でも、網を通して景色を見せるこの図は特に独創的とされます。

描かれた場所の今

旧江戸川は今も江戸川区と千葉県浦安市の境を流れ、妙見島は川の中にある島として工場などが立ち並んでいます。ばらばら松の場所はわかっておらず、絵の景色を思わせる松並木も残っていません。川沿いでは今も釣りを楽しむ人の姿が見られます。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

海外の所蔵館

出典・参考

姉妹サイト

姉妹サイトで、同じ土地の別の魅力も訪ねてみませんか。