名所江戸百景 ・ 63
綾瀬川鐘か 渕
めいしょえどひゃっけい あやせがわかねがふち
One Hundred Famous Views of Edo: Ayase River and Kanegafuchi
作品に ついて
画面の上を、合歓の木の枝が覆い、淡い紅の花と細かな葉が垂れています。中ほどの川では、笠をかぶった男が竿で筏を操っています。手前には葦や杭が立ち、奥の岸には木立と家々が並び、遠くに小さく橋が見えます。空には鳥が一羽飛んでいます。岸辺の杭には小舟がつながれています。
空の淡い色から夕焼けの赤い帯へのぼかしと、川の青の対比が穏やかです。手前の花の枝で画面の上を縁取り、筏の男を中央に置いて、ゆったりとした時間の流れを表しています。花は細い線を放射状に重ねて、ふわりとした形に描かれています。
鐘ヶ淵は、寺の鐘が川に沈んだという言い伝えからついた名とされます。綾瀬川は武蔵の村々と江戸を結ぶ水運の川でもあり、筏流しの姿は江戸の暮らしを支えた水運を伝えています。この辺りは江戸の北東の郊外で、水辺の風景が広がっていました。
夏の部の1図で、改印は安政4年1月です。合歓の木は夏の夕方に花を開く木で、季節の花を前景に置く工夫は、揃物の各所に見られます。
描かれた 場所の 今
鐘ヶ淵の辺りは、荒川放水路の開削などで川の流れが大きく変わり、絵のような景色は残っていません。今は墨田区の北の端にあたり、東武線の鐘ヶ淵駅や鐘ヶ淵通りにその名を残しています。墨田区の北部は住宅地として落ち着いた町並みです。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-388
- 国立国会図書館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・千代田区 作品番号 寄別1-8-2-1イ
- 国立国会図書館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・千代田区 作品番号 寄別1-8-2-1
海外の所蔵館
- シカゴ美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
シカゴ 作品番号 1925.3740
出典・参考
- Art Institute of Chicago: Ayase River and Kanegafuchi (Ayasegawa Kanegafuchi), from the series "One Hundred Famous Views of Edo (Meisho Edo hyakkei)"(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- ColBase(東京国立博物館): 名所江戸百景 綾瀬川鐘か渕(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- Wikipedia: One Hundred Famous Views of Edo(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
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