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名所江戸百景 綾瀬川鐘か渕
画像:Art Institute of Chicago(作品ページ(新しいタブで開きます))(当サイトで縮小して掲載) CC0(新しいタブで開きます) 拡大して見る

名所江戸百景 ・ 63

綾瀬川鐘か渕

めいしょえどひゃっけい あやせがわかねがふち

One Hundred Famous Views of Edo: Ayase River and Kanegafuchi

綾瀬川が隅田川に合わさる鐘ヶ淵で、筏を操る男を描いた図です。上には合歓の木の花が咲きこぼれ、夏の夕暮れの川辺の静けさが伝わってきます。季節の花と川の暮らしを一つの画面に収めています。

制作年
安政4年(1857)1月
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
名所江戸百景(全119図)
描かれた場所
鐘ヶ淵(東京都)

作品について

画面の上を、合歓の木の枝が覆い、淡い紅の花と細かな葉が垂れています。中ほどの川では、笠をかぶった男が竿で筏を操っています。手前には葦や杭が立ち、奥の岸には木立と家々が並び、遠くに小さく橋が見えます。空には鳥が一羽飛んでいます。岸辺の杭には小舟がつながれています。

空の淡い色から夕焼けの赤い帯へのぼかしと、川の青の対比が穏やかです。手前の花の枝で画面の上を縁取り、筏の男を中央に置いて、ゆったりとした時間の流れを表しています。花は細い線を放射状に重ねて、ふわりとした形に描かれています。

鐘ヶ淵は、寺の鐘が川に沈んだという言い伝えからついた名とされます。綾瀬川は武蔵の村々と江戸を結ぶ水運の川でもあり、筏流しの姿は江戸の暮らしを支えた水運を伝えています。この辺りは江戸の北東の郊外で、水辺の風景が広がっていました。

夏の部の1図で、改印は安政4年1月です。合歓の木は夏の夕方に花を開く木で、季節の花を前景に置く工夫は、揃物の各所に見られます。

描かれた場所の今

鐘ヶ淵の辺りは、荒川放水路の開削などで川の流れが大きく変わり、絵のような景色は残っていません。今は墨田区の北の端にあたり、東武線の鐘ヶ淵駅や鐘ヶ淵通りにその名を残しています。墨田区の北部は住宅地として落ち着いた町並みです。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

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出典・参考

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