名画のふるさと名画と画家を地域から探す
無我
画像:Wikimedia Commons(作品ページ(新しいタブで開きます))/所蔵:足立美術館(当サイトで縮小して掲載)。所蔵館の提供ではありません PD-Art-two (PD-Japan, PD-1923)(新しいタブで開きます) 拡大して見る

無我

むが

Innocence

大きすぎる着物を着た幼い子どもが、芽吹いた枝の揺れる川辺にぼんやりと立つ姿を描いた作品です。29歳の横山大観が、無心な子どもの姿に禅の言う「無我」の境地を託した作品です。

制作年
明治30年(1897)
技法・形式
その他

作品について

子どもはふっくらとした頬をして、体に合わない大きな着物を羽織り、草履をはいて立っています。表情には力みがなく、何を考えているのかわからないような顔つきです。背後には細い枝がすっと伸び、足もとには小さな草花が咲いています。

背景はほとんど描き込まれず、淡い色の広がりの中に子どもが浮かぶように置かれています。着物は墨と淡い色のにじみで表され、輪郭線だけでなく色の濃淡で形が作られています。題の「無我」は、自分へのこだわりを離れた心の状態を指す言葉です。

本作は1897年、横山大観が数えで29歳のときの作品です。誕生仏(生まれたばかりの釈迦の像)を思わせる童子の姿で、悟りの境地を表そうとしました。仏教の教えという抽象的な主題を、身近な子どもの姿で描いた点に、若い大観の新しい発想が表れています。

大観は翌1898年、岡倉天心のもとで日本美術院の創立に参加します。本作はその直前、新しい日本画を模索していた時期を伝える作品として、足立美術館の大観コレクションに収められています。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

出典・参考