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六十余州名所図会 ・ 67

薩摩 坊ノ浦 双剣石

ろくじゅうよしゅうめいしょずえ さつま ぼうのうら そうけんせき

Famous Places in the Sixty-odd Provinces: Satsuma Province: The Twin-Sword Rocks at Bonoura

薩摩国の坊ノ浦にそびえる双剣石を描いた図です。海から二本の細長い岩が剣のように突き立ち、そのそばを小舟が通り過ぎていきます。奥には岩の島やアーチ状の洞門が見えます。

制作年
安政3年(1856年)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
六十余州名所図会(全69図)
描かれた場所
双剣石(鹿児島県)、坊津(鹿児島県)

作品について

画面の中央に、高さの違う二本の岩柱が海から垂直に伸びています。左の岩の頂には松が生え、岩肌には縦の筋が刻まれています。手前では日傘を差した客を乗せた小舟が進み、右奥にも小舟が一艘浮かびます。

左の崖には木の枝が張り出し、奥には岩の島と白い帆の船、左奥にはアーチ状の岩の洞門が見えます。空は淡い水色で、水平線のあたりが赤く染まります。二本の岩を縦長の画面いっぱいに立てた、大胆な構図です。小舟の人物との対比で、岩の大きさが伝わります。

坊津は古くから中国との交易の港で、遣唐使の寄港地とも伝わります。入り江の双剣石は、その奇観で知られた名所でした。坊津は薩摩藩の密貿易の港だったとも伝わり、異国との関わりの深い土地でした。

左奥の洞門には「坊岬 秋月洞」と書き込まれています。国立国会図書館の刷りも同じ構図です。岩柱の高さを強調するため、実際より細く鋭く描いたものと考えられ、海の静けさとの対比が際立ちます。

描かれた場所の今

双剣石は鹿児島県南さつま市坊津町の入り江に立つ二つの岩で、高さは約27mと21mとされます。坊津の一帯は2001年に国の名勝「坊津」に指定され、坊野間県立自然公園にも含まれています。展望所から岩を眺められます。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

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出典・参考

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