名所江戸百景 ・ 119
赤坂桐畑雨中夕けい
めいしょえどひゃっけい あかさかきりばたけうちゅうゆうけい
One Hundred Famous Views of Edo: Night Rain at the Paulownia Grove at Akasaka
作品に ついて
画面全体に細かな雨の線が引かれ、奥には黒々とした森の丘が雨にかすみます。中ほどには溜池の水面がのぞき、手前の岸には桐の若木が並びます。右下には建物の屋根が見え、左下では傘や蓑をまとった人々が雨の中を歩いています。
墨の濃淡と緑を主にした暗い色調で、雨に煙る夕暮れの空気を表しています。黒いぼかしで森の影を重ね、雨の線で画面全体を覆うことで、湿った空気の重さを伝えます。
赤坂溜池は江戸城の外堀の一部をなした溜め池で、岸には桐が植えられて桐畑と呼ばれました。池の水は虎ノ門の外で堀へ落ちていました。奥の丘は山王社(今の日枝神社)の森とする見方があります。
画中に「二世広重画」とあり、初代の没後、安政6年(1859)4月に出た図です。目録には載らず、夏の部の「赤坂桐畑」の差し替えとも考えられていますが、揃いの一部として所蔵する館が多くあります。初代の雨の名作と比べると、より暗く重い雨の表現に二代の個性が表れているとされます。
描かれた 場所の 今
溜池は明治時代に埋め立てられ、今は港区赤坂の「溜池」交差点や東京メトロの溜池山王駅に名を残すだけになりました。外堀通り沿いにはオフィスビルが並び、近くの日枝神社の丘には今も緑が残っています。溜池の地名だけが、かつての水辺をしのばせます。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-367
- 国立国会図書館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・千代田区 作品番号 寄別1-8-2-1イ
海外の所蔵館
- シカゴ美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
シカゴ 作品番号 1965.1044
出典・参考
- Art Institute of Chicago: Night Rain at the Paulownia Grove at Akasaka (Akasaka Kiribatake uchu yukei), from the series "One Hundred Famous Views of Edo (Meisho Edo hyakkei)"(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- ColBase(東京国立博物館): 名所江戸百景 赤坂桐畑雨中夕けい(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- 国立国会図書館デジタルコレクション: 名所江戸百景 赤坂桐畑雨中夕けい(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- Wikipedia: One Hundred Famous Views of Edo(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
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