名画のふるさと名画と画家を地域から探す
東海道五拾三次之内 荒井 渡舟ノ図
画像:Art Institute of Chicago(作品ページ(新しいタブで開きます))(当サイトで縮小して掲載) CC0(新しいタブで開きます) 拡大して見る

東海道五拾三次之内 ・ 32

荒井 渡舟ノ図

とうかいどうごじゅうさんつぎのうち あらい わたしぶねのず

The Fifty-three Stations of the Tokaido: Ferryboats at Arai

今切の渡しを、新居の関所へ向かう二艘の舟で描いた図です。幕を張った大名の御座船の後ろで、供の者たちがあくびをしたり寝転んだりしている姿が、長い船旅の退屈さを伝えます。

制作年
天保4〜5年頃(1833〜34年頃)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
東海道五拾三次之内(全55図)
描かれた場所
新居宿(静岡県)

作品について

手前の小舟には、大名行列の供をする中間(ちゅうげん、武家の雑用をつとめる奉公人)たちが乗り込んでいます。腕を伸ばしてあくびをする者や、体を丸めて眠る者がいて、船旅に飽きた様子が伝わります。舳先では、船頭たちが帆と竿を操っています。舟べりにもたれる者の手足が投げ出され、のんびりとした空気が漂います。

その先を行くのは、紋の入った幕を張り、吹き流しや毛槍を立てた大名の御座船です。舟が向かう右奥の岸には、新居の関所が描かれています。新居関所は幕府が直接治め、取り調べが厳しいことで知られました。船着き場は関所の中に置かれていました。御座船には二本の毛槍が高く掲げられ、大名の船であることが一目でわかります。右奥の岸の背後には、灰色の山並みが連なっています。

空は下のほうが赤く染まり、東京富士美術館はこれを夕刻の場面と見ています。水面の藍は手前で濃く、奥へ行くほど淡くなり、湖の広がりを表しています。前の「舞坂」が渡しの出発点を岸から見た図なら、こちらは舟の上から到着地を望んだ図です。

描かれた場所の今

新居関所は、江戸時代の関所の建物が全国で唯一残る場所で、国の特別史跡に指定されています。今の建物は、嘉永7年(1854)の地震で大破したあと、安政2年(1855)から建て直されたものです。面番所などが現存し、隣の新居関所史料館で関所の資料が展示されています。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)

出典・参考

姉妹サイト

同じ土地の名物や、天然記念物の動物、祭りも訪ねてみませんか。