東海道五拾三次之内 ・ 32
荒井 渡舟ノ図
とうかいどうごじゅうさんつぎのうち あらい わたしぶねのず
The Fifty-three Stations of the Tokaido: Ferryboats at Arai
作品に ついて
手前の小舟には、大名行列の供をする中間(ちゅうげん、武家の雑用をつとめる奉公人)たちが乗り込んでいます。腕を伸ばしてあくびをする者や、体を丸めて眠る者がいて、船旅に飽きた様子が伝わります。舳先では、船頭たちが帆と竿を操っています。舟べりにもたれる者の手足が投げ出され、のんびりとした空気が漂います。
その先を行くのは、紋の入った幕を張り、吹き流しや毛槍を立てた大名の御座船です。舟が向かう右奥の岸には、新居の関所が描かれています。新居関所は幕府が直接治め、取り調べが厳しいことで知られました。船着き場は関所の中に置かれていました。御座船には二本の毛槍が高く掲げられ、大名の船であることが一目でわかります。右奥の岸の背後には、灰色の山並みが連なっています。
空は下のほうが赤く染まり、東京富士美術館はこれを夕刻の場面と見ています。水面の藍は手前で濃く、奥へ行くほど淡くなり、湖の広がりを表しています。前の「舞坂」が渡しの出発点を岸から見た図なら、こちらは舟の上から到着地を望んだ図です。
描かれた 場所の 今
新居関所は、江戸時代の関所の建物が全国で唯一残る場所で、国の特別史跡に指定されています。今の建物は、嘉永7年(1854)の地震で大破したあと、安政2年(1855)から建て直されたものです。面番所などが現存し、隣の新居関所史料館で関所の資料が展示されています。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-36
- 東京富士美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・八王子市
この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)
海外の所蔵館
- シカゴ美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
シカゴ 作品番号 1925.3535
出典・参考
- Art Institute of Chicago: Arai: View of Ferryboats (Arai, watashibune no zu)(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- ColBase(東京国立博物館): A-12499-36(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 東京富士美術館 収蔵品: 東海道五拾三次之内 荒井 渡舟ノ図(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 国立国会図書館デジタルコレクション: 東海道五拾三次 荒井・渡舟ノ図(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
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