名画のふるさと名画と画家を地域から探す

六十余州名所図会 ・ 21

常陸 鹿嶋太神宮

ろくじゅうよしゅうめいしょずえ ひたち かしまだいじんぐう

Famous Places in the Sixty-odd Provinces: Hitachi Province: Kashima Grand Shrine

常陸国の鹿島神宮へ向かう船着き場を、北浦の水辺から描いた図です。水の中に立つ大きな鳥居と茅葺きの家並み、森に覆われた山、湖を行き交う帆船が穏やかに描かれています。鹿島詣での玄関口の情景です。

制作年
嘉永6年(1853年)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
六十余州名所図会(全69図)
描かれた場所
鹿島神宮(茨城県)

作品について

画面の手前の水面には帆を張った舟がゆったりと進み、その奥に大きな鳥居が水の中に立っています。鳥居の脇には舟が停まり、左の岸には茅葺きの家並みが続いて、道を人々が歩いています。

家並みの背後には杉や松に覆われた緑の山が盛り上がり、神宮の森を表したものと考えられます。右手には湖が奥へ広がって帆船が点々と浮かび、遠くには灰色の山並みと赤く染まる空が見えます。水辺の葦や湖面の細かな波が、穏やかな水郷の空気を伝えています。

鹿島神宮は常陸国の一宮で、武の神とされる武甕槌神をまつります。江戸時代には香取神宮、息栖神社と合わせて「東国三社」と呼ばれ、利根川や北浦を舟で詣でる人が多くいました。水中の鳥居は北浦の大船津に立つ一の鳥居で、舟で着いた参詣者はここから神宮へ向かいました。

社殿ではなく、舟で参る人々を迎える鳥居と船着き場を描いたところに、水運とともにあった鹿島詣での姿がうかがえます。シカゴ美術館にはこの図がなく、画像は東京国立博物館の刷りです。

描かれた場所の今

大船津の一の鳥居は2013年に再建され、水底からの高さが約18メートルある、水上の鳥居として国内最大級のものです。鹿島神宮の本殿は元和5年(1619年)に徳川秀忠が寄進したもので、国の重要文化財に指定されています。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

海外の所蔵館

出典・参考

姉妹サイト

姉妹サイトで、同じ土地の別の魅力も訪ねてみませんか。