六十余州名所図会 ・ 17
江戸 浅草市
ろくじゅうよしゅうめいしょずえ えど あさくさのいち
Famous Places in the Sixty-odd Provinces: Edo: The Year-end Fair at Asakusa
作品に ついて
画面の手前から中ほどまで、境内を埋める人の群れが描かれています。黒い羽織の男たちが行き交い、両側には正月の飾り物らしい品を並べた店が並びます。左には朱塗りの仁王門が大きくそびえ、その奥へ向かって人波が続いています。
右上には五重塔が雲間に浮かび、門と塔の間には葉を落とした木々が細い枝を広げています。暗い灰色の空には雪がちらつき、地平の近くだけが黄色く明るんでいます。朱色の建物と群衆の明るい色が、冬の夕暮れの暗さの中で際立ちます。
浅草寺の歳の市は、年の暮れに正月用の品を売る市で、江戸でもっとも賑わう市の一つでした。人々は縁起物や飾り物を買い求め、新年を迎える支度をしました。
揃物は国ごとに1図を当てていますが、武蔵国とは別に「江戸」を立てたこの図だけは、国ではなく将軍のいる町を表しています。江戸の人々に身近な年中行事を加えたものと考えられます。シカゴ美術館にはこの図がなく、画像は東京国立博物館の刷りです。
描かれた 場所の 今
浅草寺の仁王門と五重塔は1945年の空襲で焼け、仁王門は1964年に宝蔵門として、五重塔は1973年に再建されました。塔は戦前とは反対の本堂の西側に建っています。歳の市は今、毎年12月17日から19日の羽子板市として受け継がれています。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-210
海外の所蔵館
出典・参考
- ColBase(東京国立博物館): 六十余州名所図会 江戸 浅草市(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- 国立国会図書館デジタルコレクション: 六十余州名所図会 江戸 浅草市(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
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