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六十余州名所図会 ・ 17

江戸 浅草市

ろくじゅうよしゅうめいしょずえ えど あさくさのいち

Famous Places in the Sixty-odd Provinces: Edo: The Year-end Fair at Asakusa

江戸の浅草寺で毎年暮れに開かれた歳の市を描いた図です。朱塗りの仁王門と五重塔の下に、正月の品を売る店と人の群れがひしめき、雪のちらつく夕空が広がっています。国ではなく江戸を立てた唯一の図です。

制作年
嘉永6年(1853年)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
六十余州名所図会(全69図)
描かれた場所
浅草寺(東京都)

作品について

画面の手前から中ほどまで、境内を埋める人の群れが描かれています。黒い羽織の男たちが行き交い、両側には正月の飾り物らしい品を並べた店が並びます。左には朱塗りの仁王門が大きくそびえ、その奥へ向かって人波が続いています。

右上には五重塔が雲間に浮かび、門と塔の間には葉を落とした木々が細い枝を広げています。暗い灰色の空には雪がちらつき、地平の近くだけが黄色く明るんでいます。朱色の建物と群衆の明るい色が、冬の夕暮れの暗さの中で際立ちます。

浅草寺の歳の市は、年の暮れに正月用の品を売る市で、江戸でもっとも賑わう市の一つでした。人々は縁起物や飾り物を買い求め、新年を迎える支度をしました。

揃物は国ごとに1図を当てていますが、武蔵国とは別に「江戸」を立てたこの図だけは、国ではなく将軍のいる町を表しています。江戸の人々に身近な年中行事を加えたものと考えられます。シカゴ美術館にはこの図がなく、画像は東京国立博物館の刷りです。

描かれた場所の今

浅草寺の仁王門と五重塔は1945年の空襲で焼け、仁王門は1964年に宝蔵門として、五重塔は1973年に再建されました。塔は戦前とは反対の本堂の西側に建っています。歳の市は今、毎年12月17日から19日の羽子板市として受け継がれています。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

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出典・参考

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