六十余州名所図会 ・ 35
越後 親しらず
ろくじゅうよしゅうめいしょずえ えちご おやしらず
Famous Places in the Sixty-odd Provinces: Echigo Province: Oyashirazu
作品に ついて
画面の中央から右に、赤茶色の岩壁が屏風のように並び、その上は緑の木々に覆われています。崖の裾には白い砂浜が細く続き、旅人の小さな姿がいくつか見えます。画面の下半分は、藍色にうねる波で埋め尽くされています。
崖の赤茶と上の緑、海の藍という強い色の組み合わせに、左奥の夕焼け空と灰色の山が奥行きを加えています。波は細い線を重ねて描かれ、今にも浜を洗いそうな勢いがあります。白い浜の帯が崖と海の境を細く区切り、人がやっと通れるほどの道の狭さを示しています。
親不知は、北アルプスの山が日本海に落ち込む断崖の下を、北陸道が波打ち際伝いに通っていた難所です。波の合間を見計らって駆け抜けるため、親は子を、子は親を顧みる余裕もなかったことが名の由来と伝えられます。
広重は荒波を画面の半分に広げ、崖の裾を歩く人々をごく小さく描くことで、この道の危うさを見る人にも感じさせています。国立国会図書館にも同じ構図の刷りがあります。
描かれた 場所の 今
親不知は新潟県糸魚川市にあり、2014年に国の名勝に指定されました。今は崖の上や海の上を国道8号や北陸自動車道が通り、展望台から断崖と海を見下ろせます。明治に開かれた旧国道の一部は、遊歩道として歩くことができます。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-228
海外の所蔵館
- シカゴ美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
シカゴ 作品番号 1965.979
出典・参考
- Art Institute of Chicago: Echigo Province: Oyashirazu (Echigo, Oyashirazu)(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- ColBase(東京国立博物館): 六十余州名所図会 越後 親しらず(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- 国立国会図書館デジタルコレクション: 六十余州名所図会 越後 親しらず(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
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