名所江戸百景 ・ 75
神田紺屋町
めいしょえどひゃっけい かんだこんやちょう
One Hundred Famous Views of Edo: The Dyers' Quarter in Kanda
作品に ついて
画面の右と左に、高い物干し台から下がる染め布が何枚も並んでいます。藍のぼかしや市松模様、菱の文様を染めた布が風にたわみ、その隙間から町並みと、白い雪をかぶった富士山がのぞきます。空には一羽の鳥が飛んでいます。
藍と白の対比が鮮やかで、縦に垂れる布の線が画面を力強く区切っています。手前の布を大きく描き、富士を小さく遠くに置く構図は、この揃物でよく使われる遠近の工夫です。布の一枚には、広重の名にちなむ印が染められているとされます。
紺屋町は、その名のとおり紺屋(染物屋)が集まった町で、布を干す高い物干し台が並んでいました。ここで染めた浴衣や手ぬぐいは江戸の人々に広く使われ、物干しに翻る布は町の名物でした。
江戸の名所の多くが寺社や川辺であるのに対し、この図は職人の仕事場そのものを名所として描いています。布の模様を画面いっぱいに見せる大胆さは、この揃物の縦長の画面ならではのものです。
描かれた 場所の 今
神田紺屋町は今も千代田区の町名として残り、オフィスビルが並ぶ地区になっています。染物屋はほとんど姿を消し、物干し台に布が翻る光景はありません。近くには、江戸の職人町の名残を伝える古い町名が多く残っています。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-394
海外の所蔵館
- シカゴ美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
シカゴ 作品番号 1939.1482
- ブルックリン美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
ニューヨーク 作品番号 30.1478.75
出典・参考
- Art Institute of Chicago: The Dyers' Quarter in Kanda (Kanda Kon'ya-cho)(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- Brooklyn Museum: Dyers' Quarter, Kanda, No. 75 from One Hundred Famous Views of Edo(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- ColBase(東京国立博物館): 名所江戸百景 神田紺屋町(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- 国立国会図書館デジタルコレクション: 名所江戸百景 神田紺屋町(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
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