東海道五拾三次之内 ・ 3
川崎 六郷渡舟
とうかいどうごじゅうさんつぎのうち かわさき ろくごうわたしぶね
The Fifty-three Stations of the Tokaido: Rokugo Ferry at Kawasaki
作品に ついて
画面手前を斜めに横切る渡し舟には、笠を持つ男、頭巾の女、荷を抱えた客などが乗り合わせ、船頭が竿で舟を押し出しています。左手の岸辺には筏を操る人、対岸の船着き場には荷を積んだ馬と人足が見え、川を挟んで人と荷が行き来する様子がわかります。
奥の空は低い位置が赤く染まり、その右に雪をかぶった富士山が白く浮かびます。夕暮れの赤と富士の白の対比が、川の青とともに画面を静かにまとめています。
多摩川は下流で六郷川とも呼ばれ、東海道の旅人が江戸を出て最初に越える大きな川でした。江戸時代の前半には六郷大橋が架かっていましたが、貞享・元禄期の洪水で流された後は架け直されず、明治まで舟渡しが続きました。宝永6年(1709)からは川崎宿が渡し舟を請け負い、その収入が宿場の暮らしを支えました。川向こうに見える家並みが川崎宿です。
右手の水辺には、芦の茂る中州や岸辺の小屋が点々と描かれ、河口に近い広い川の様子がうかがえます。舟の上の人々は思い思いの姿勢でくつろぎ、短い渡しの時間に旅の気分が表れています。
描かれた 場所の 今
多摩川の川崎側、川崎区旭町には六郷の渡し跡の碑が建ち、六郷橋の欄干には渡し舟をかたどったモニュメントがあります。宿場の中心だった本町には、2013年に東海道かわさき宿交流館が開館し、宿場の歴史を紹介しています。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-4
- 東京富士美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・八王子市
この揃物を所蔵する館(この図の所蔵は館のサイトでご確認ください)
海外の所蔵館
- シカゴ美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
シカゴ 作品番号 1925.3501
出典・参考
- Art Institute of Chicago: Kawasaki: The Rokugo Ferry (Kawasaki, Rokugo watashibune)(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- ColBase(東京国立博物館): A-12499-4(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 東京富士美術館 収蔵品: 東海道五拾三次之内 川崎 六郷渡舟(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 国立国会図書館デジタルコレクション: 東海道五拾三次 川崎・六郷渡舟(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
神奈川県をもっと知る
同じ土地の名物や、天然記念物の動物、祭りも訪ねてみませんか。






