栗子山昔 時景
くりこやませきじのけい
Landscape of Mt. Kuriko
作品に ついて
横長の画面に、木々に覆われた山の斜面が左から右へ重なり合っています。左の大きな峰と中央の小さな突起、右奥のなだらかな尾根が、暗い緑と茶色の細かな筆で描かれ、右手には白い岩肌がのぞきます。手前の谷からは白い霧が立ちのぼり、空は灰色の雲に覆われています。人や道は描かれず、山の量感と湿った空気が画面を満たしています。
題名の「昔時景」は「昔の景色」という意味です。栗子山には明治14年(1881)、福島と山形を結ぶ新道の栗子山隧道が完成しました。国立国会図書館の解説によると、由一は山形県令の三島通庸の依頼で同じ年に山形を訪れ、隧道を油彩で描いています。本作は、工事で姿が変わる前の山を表したものとされます。
栗子山隧道は長さ約864メートルで、完成した当時は日本一長いトンネルでした。1881年10月には東北を巡幸中の明治天皇が歩いて通り抜け、この新道には「万世大路」の名が与えられました。
由一は「鮭」で知られる洋画家で、東北の新しい道路や橋を記録した作品も多く残しました。本作は福島県立美術館が所蔵しています。
描かれた 場所の 今
栗子山は福島市と山形県米沢市の境にある標高1,217メートルの山です。明治の栗子山隧道を含む旧道「万世大路」は、のちに国道13号の新しいトンネルに役目を譲りました。今は東北中央自動車道の栗子トンネルが山の下を通り、福島と米沢を短い時間で結んでいます。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 福島県立美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
福島県・福島市 作品番号 2000-0008-00
出典・参考
- 福島県立美術館 収蔵作品検索 高橋由一《栗子山昔時景》(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- 文化遺産オンライン 栗子山昔時景(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- 国立国会図書館 錦絵と写真でめぐる日本の名所 コラム 栗子山隧道(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
福島県をもっと知る
姉妹サイトで、同じ土地の別の魅力も訪ねてみませんか。


